• エッセイ

餞別のような、日記

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真冬の東京駅八重洲口。

土曜日の午後は、帰省客がバスターミナルに集まり、混雑を極めている。

カラフルなワンピースをまとった、見たことのある女の子が佇んでいるのを発見した。

さっきまで隣で一緒に講義を受けていた彼女が、上を見つめながら何かを一生懸命考えていた姿が目に入って「どうしたの?」と声をかけた。

福島から来ていた彼女、帰り方がわからなくなっちゃったのかな?と心配になって聞いてみると、「わっ!びっくりしたー!あのね、何をツイートしたらいいか悩んでたの。」

 

駅のはしっこで、無意識のうちにウンウン唸るような表情で考えあぐねている姿からは、一瞬で彼女の素直で一生懸命なところが伝わってきた。

その日は、一緒にSNS講座を受けていて「見てくれる人にとって有益な情報が好まれるよね」っていう話を聞いたところ。

確かにそれはそうだけれど、その人それぞれにあった運用方法もあるから、一概に「これ!」っていう正解はない。

彼女自身もそう感じつつも、「まずは教えてもらったことを実践してみよう!でも、どうやって?」と悩みながら、東京駅の隅っこで立ち尽くしてる姿が可愛く見えて仕方なかった。

あんなにまっすぐ素直でいられるってなんて素敵なんだろうか、と。

 

 

彼女に出会ったのは、ブログを始めた当初に入ったオンラインサロン。

カナダでワーホリをしてカフェで働いてるという話をメッセンジャーで聞いた。その後も、南米に旅をしている様子を教えてくれたり、配信でオーロラを見せようとしてくれたり。

明るくて誰にも好かれる、笑顔のかわいい女の子にどんどん惹かれていった。

 

今年の初夏。東京で暮らすことになった彼女と会ったのは、渋谷コエロビー。

大雨の中たどり着くと、いつも元気でニコニコしている彼女から、明るさが抜け落ちてしまっていた。

 

真夏のとある1日。一緒に作業するつもりだったのに、作業の手を止めて23時過ぎまで、今までの人生や、これからのわたしたちのことを延々と話し合った。

人と話すのが大好きなわたしでも、さすがに12時間ずっと話していても楽しい人は限られる。

けれど、彼女とは一夜を明かしてもいいくらい話が尽きなかった。どんな暮らしをしてきて、どんなことを考えているかがとても興味深かったから。

大学生の頃に盛岡の街が大好きになったこと、地元の福島で震災後の混乱を体感したこと、安定を捨てていきなり海外へ飛び出したこと、どのエピソードを切り取っても嘘のない姿。

いつしか自分とは真逆に見えた、行動力のカタマリで太陽のような明るい彼女の中に、共感できるポイントをいくつも発見した。

他の人には話さなかったことも、彼女には話したくなったし、聞いてもらいたいと思った。支えたいし、支えられたいような、最近ではあまりなかった関係。

 

そんな彼女のあたらしい道が決まった。

それは、福岡の糸島にある有名なシェアハウスに移住するということ。地方で自給自足を地でいく生活スタイルは、彼女の願っていたことのひとつだし、あまりにもぴったりと似合うから、なんだか嬉しくなった。

 

 

東京から離れる前に、どこかで会おう!と約束した日、「古い街並みを感じられる場所がいいな。」と言われ、人形町をフラフラと散歩した。

人形町らしい、老舗のカツレツ屋さんへ行き、胡椒の効いたサクサクのカツレツを食べた。

「東京が苦手だったけど、東京だからこそ残ってる古い街並みが見られて、東京の良さも知れたよ!」っていう言葉がうれしくて、別れが名残惜しかった。

 

餞別にもらったブーケ。ありがとう!

 

もちろん、ふらっと東京で会えなくなるのはさみしい。

けれど、わたしたちはどこへでも繋がっていられるし、いい距離感で励ましあえる仲になれた。たぶん。

きっと来年の今ごろにはもっと楽しい世界が待っている。そうなれるように、がんばろうね。

 

彼女こと、マッキー(@maki_nico88)へ。

マッキーのブログはこちら「マキナビ」 プロフィールに込められた思いを読んでると泣きそうになります。

 

 

次に読むなら、旅についてのエッセイを

わたしが旅に出る理由

 

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