一冊の本が広げてくれる世界に、今年もたくさん魅了されました。
2017年は価値観をリセットできた年で、本を読むことが多かったのですが、今年は苦手だったことを克服するきっかけを作ってくれた本が多め。
2018年は変化の多い年で、考えすぎてへろへろになってしまうこともしばしばだったので、何も考えず楽しめる本の大切さにも改めて気づきました。
ということで、お正月に本を読みたいひとへ、わたしの2018年のおすすめ本10冊をお送りします。
年始に、大切な自分と向き合いたいひと
日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ/森下典子
2018年10月の「いま、読みたい本」でもご紹介した、森下典子さんの「日日是好日」。
「早く・わかりやすく」が求められ、理解するスピードも速さばかりが求められる時代。めまぐるしい情報と、変化の速さについていけず、不安になっていたときに読みました。
世の中には、「すぐわかるもの」と、「すぐにはわからないもの」の二種類がある。すぐわかるものは、一度通り過ぎればそれでいい。けれど、すぐにわからないものは、フェリーニの『道』のように、何度か行ったり来たりするうちに、後になって少しずつじわじわとわかりだし、「別もの」に変わっていく。
そして、わかるたびに、自分が見ていたのは、全体の中のほんの断片に過ぎなかったことに気づく。
引用:「日日是好日」森下典子
「すぐにはわからないもの」を切り捨てるのではなく、わかるようになるまでの過程を愛したいな。そう思うこの頃です。
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どうやって働いて、生きていきたいかを考えたいひとへ
一緒に冒険をする/西村佳哲
働き方研究家・西村佳哲さんが、様々な仕事に就くひとへインタビューした記録。料理家から工芸家、はたまた障がい者施設を運営する方まで。
「かもめと街」でも何度も西村さんの本を紹介しているのですが、「これからなにを大切に、どう働いていこう?」と悩んでいる方は、ぜひ西村さんの本を読んでみてほしいなと思います。
具体的にどうすればいいか、という答えが書いてある本ではないけれど、きっと「こんな人もいるんだ!」とか、働き方や生き方の多様性を知ることがヒントにも励みにもなるはず。
この本の出版イベントに登壇した、内野加奈子さん。
星や風などを頼りに、エンジンもコンパスも使わない伝統的な航海術でハワイから日本へ横断した方なのですが、海の上では五感をフルに活用して航海するんだとか。目を凝らして見たり、感じて船を進める方向を決めるという話の後に、「都会に来ると、情報量が多くてやられちゃう」とお話しされていたんです。
都会で暮らすには、ある程度感じる力をオフに切り替えてないと動けないという話。ささやかな刺激でも敏感になりやすいわたしは、ちょっとホッとしたりもしました。
敏感さと鈍感さ、どちらも使いこなせるようになりたいな。
うつくしいものを眺めたいひと
花と料理 おいしい、いとしい、365日/平井 かずみ,渡辺 有子,大段 まちこ
2018年12月の「いま、読みたい本」でご紹介した1冊。季節の変わり目、寒さに心がくじけかけたときにプレゼントでいただいた本です。
お花のしつらえや、エディブルフラワーを使ったレシピの紹介などが365日分収録されています。代わり映えのしない毎日を、暮らしをどう楽しむかのヒントがここに。
一眼レフカメラで、自分らしい写真を撮りたいひとへ
カメラはじめます!/こいしゆうか
一眼レフカメラ恐怖症のかたを中心に大人気の「カメラはじめます!」。この本のおかげで、一眼レフ撮影の楽しさを知れました。
一眼デビューして約半年ちょっと、おかげさまで「写真上手になってきたね!」と声をかけられることが増えてうれしいかぎりです。ああ、もっとうまくなりたい。
確定申告ってなに?年末調整って?と思ったまま大人になったひと
お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!/大河内薫・若林杏樹
10月からフリーランスになったのですが、確定申告のことが、というか税金の話がわからなすぎて凹んでいました。なにを読んでも、自分の理解力がついていかない。
タイトル通り、「お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいました」な漫画家・若林杏樹先生が、税理士・大河内薫さんのやさしい解説をどこまでもわかりやすく・そして楽しく説明した本。
難しい話ほど、だれでもわかりやすく・そして楽しく説明された本って本当に奇跡の存在なんですよね。これは、きっと何もわからなかった(というか、確定申告すらしてなかったらしい)杏樹先生が描いたからこそ、より伝わる形にできたのではと思っています。
11月に発売されたばかりですが、すでに3回読んでいます。これ、フリーランスの方はもちろん、会社員の方も読んでおいたほうがいい知識。知らないと損するのが国の制度、ですよね・・・!
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食いしんぼうさん、よだれもの。
サンドウィッチを銀座で/平松 洋子
大好きなエッセイスト・平松洋子さんの文庫。こちらは「孤独のグルメ」の谷口ジローさんの挿絵が入った食エッセイ。文章だけで食欲が湧き、行ったことのないお店への愛情が湧く作品。
こんな素敵なエッセイが書けるようになりたいな。夏に書いた「有楽町で品のいいサンドイッチを。「はまの屋パーラー」でおいしい休日ランチ」は、こちらの本を読んで伺いました。
食べものが連れてくる、いとしい思い出
いとしいたべもの/森下典子
「日日是好日」の森下典子さんが書かれた「いとしいたべもの」。森下さんの食べものの思い出を読んでいるはずが、どこかで読み手自身の思い出を思い起こさせる描写によって、胸がいっぱいになってしまいます。
読み終わるころ、サッポロ一番みそラーメンが食べたくて仕方なくなるはず。
東京のいま・むかしを知りたいひと
東京さんぽ図鑑/スタジオワーク
東京の街歩きをしていると、しだいに街の歴史に興味が湧いてくるようになりました。
こちらの本は、有名エリアごとにその街のなりたちやめずらしい建築などを図解とイラストで解説してくれる本。
写真ではなく、あえてイラストというのが想像力を掻き立てられて好きなんです。街の歴史、まだまだ語れるほど知りませんが、ほんの少し知るだけで、街並みが立体的に見えてくるんですよね。それがたのしい。
ひとり遊びが大好きな、妄想家のひとへ
海辺の週刊大衆/せきしろ
ここ最近、小説を読むことがめっきり減りました。どうしても気分転換したいときに手に取った「海辺の週刊大衆」。タイトルからなにも想像できない感じがいいし、せきしろさんの作ったコントを近年よく観に行ってるので、読むことに。
いやいやいや、こんなにおもしろいとは。無人島に流された男性が、手元にあるたった一冊の「週刊大衆」だけで、いかに暇をつぶして生きるかというストーリーなのですが、一人遊びが好きな人はハマるはず。想像力は日常を楽しむためにあるのかも。
もうなにもしたくない、ただ癒されたいひと
犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい/松本ひで吉
年末年始、なんとなくどよーんと疲れたりしますよね。刺激はいらない、学びたくもない、ただ癒されたいという方にはマンガをおすすめします。
こちらは「漫画をツイッターで楽しむ。わたしの好きなTwitterマンガ3つまとめ。」でもご紹介した作品。
無邪気で素直、いつもご機嫌の犬くんと、マイペースでクールかつシャイな猫の対比がおもしろくて、1,2巻とも3〜5回は読んでいます。
ということで、2018年に読んだ本で特におすすめしたい10冊をご紹介しました!
「これ読みたい!」が見つかったらうれしいです。2019年も毎月1回、気になる本をご紹介していきますので、楽しんでいただけたらと思います。
2017年のおすすめ本10冊もどうぞ。
年間100冊読んだ読書好きのわたしの2017年おすすめ本10選