ほぼ毎月お送りしている企画「いま、読みたい本」では、毎月10冊の気になる本をご紹介しています。
春から夏の間はお休みしてしまったのですが、それでもこの企画を始めてから気がつくと1年が経っていました…!
この1年で変わったことといえば、企画を始めてから本を買う頻度が倍増したこと…こんなに買うようになるとは思いませんでした。特に今月は、気になる本がたくさん出てて選びきれないほど!
毎月あまりテーマを決めずにやっているので、統一感がないかもしれませんが、1冊でも「気になる!」と思っていただけたら嬉しいです!
世界のキッチンから/高橋ヨーコ
「世界のキッチンから」といえば、キリンビバレッジの人気シリーズ。まさに世界中のキッチンを旅して、現地で実際に日常的に作られている飲みものを取材した記録。飾らない、ふだんのキッチンはさりげなくお国柄が出ていて興味津々。高橋ヨーコさんの写真の雰囲気が、また良いんですよ〜!
最近は取材でキッチンを撮ることも増えたので、そういう意味でも参考にしています。
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ボタニカル・ライフ-植物生活 (新潮文庫) 文庫 /いとうせいこう
先日、取材先で聞いた畑の話にしみじみ感動したんです。急スピードで成長することが求められる世の中で、植物の成長の話を聞いて、ちょっと落ち着いたというか。
ひとつひとつの苗から始まる畑は、根を張って芽を出して一面を覆うようになるまで数年かかると聞いて、当たり前だけど、「焦らないでも成長できるのかもしれない」ってジーンとしたんです。
そんなことがきっかけで、植物とビールが大好きな友人のクリハラさんに植物のことを知れる本をおすすめしてもらいました。
「くだらないこと」にいつも感動してる
「田舎で畑を持つのも確かにいいだろう。だが、俺はこの暮らしがやめられねえんだ。長年都会に生きてると、くだらないことに感動出来るからな。」 #かも街books
いとう せいこう/ボタニカル・ライフ-
植物生活 https://t.co/82H9oZK0JL pic.twitter.com/g1wI7BrAkM— チヒロ@街歩きエッセイスト (@kamometomachi) September 26, 2019
都会に住んでいると、実は緑が多いことに気づきます。道端のコンクリートの隙間から、にょっきり現れた小さな花とか、誰も世話もしていないであろう場所にひなげしや曼珠沙華が咲いていたり。
もちろん田舎へ行けば、もっとたくさんの植物に囲まれることができるけど、都会ならではの醍醐味もあることは忘れたくないなと。本では、せいこうさんの悲喜こもごもベランダ園芸ライフが語られています。読みながらニヤニヤしちゃうし、いままで枯らしてしまった植物への罪悪感とかも軽くなるかも。
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伊藤まさこの買いものバンザイ!/伊藤 まさこ
大好きなスタイリスト・伊藤まさこさんの新刊!うつわコレクションや、横浜中華街や台湾などのお買い物リスト付き。
人にどう思われても関係ない。
だって自分が良いと思うかが基準だから。そんなスタイルで買い物道を突っ走る伊藤まさこさんが大好き。素敵なうつわ、たくさん見られて眼福😍エッグスタンド欲しくなった!使うかはさておき…
#かも街books伊藤まさこの買いものバンザイ! https://t.co/u9KCiAcTqa pic.twitter.com/6GzDRheI0z
— チヒロ@街歩きエッセイスト (@kamometomachi) September 15, 2019
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東京でお酒を飲むならば/甲斐みのり
甲斐みのりさんが2011年に出した同著が文庫化。お酒が飲めなかったという、甲斐さんが東京でほろりと一杯やるのにおすすめの店を紹介。
冒頭の水上バスや浅草の話は、情緒があってとてもいい。ひとりもいいけど、誰かと行くからこそ楽しめる場所もありますよね。
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続 デザイナー渋井直人の休日/渋谷直角
テレ東の深夜ドラマ枠で放映されていた〈渋井直人の休日〉の原作マンガの2巻!50代独身のデザイナー渋井さんの日常。仲のいい編集者さんたちとご飯へ行っては、別のデザイナーばかりを褒める場で嫉妬を深め、しょっちゅう恋愛してはあと一歩のところでうまくいかなかったり…
人間味が溢れてて、「渋井さんには幸せになってほしい」と願いつつも、トホホな展開を期待しちゃうのはわたしだけでしょうか…?人に優しすぎる渋井さんの姿にもほっこりします。こんな人と働きたい。
けど、本の帯にコメントを寄せている岡山天音さんと同じように、渋井さんみたいになりたいかどうかは保留で…。
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去年ルノアールで/せきしろ
喫茶店で人間観察をするのが好き。電車の中で隣の人のことがすごく気になっちゃう。そんな人におすすめしたい〈去年ルノアールで〉。ドラマ化された際は、星野源さん主演ですごく話題だったのを覚えています。天邪鬼だったので、その時は観てなかったことを今でも地味に後悔しています。
昼間から喫茶店にいる「私」がおくる、妄想劇場。隣に座る、ちょっと怪しげな人たちに物語をあてこんでいく主人公。人生、どんなときでもおもしろがろうと思えばおもしろがれるのでは?と思える作品。
日本のヤバい女の子 静かなる抵抗/はらだ 有彩
以前〈〉でもレビューを書いた、〈日本のヤバい女の子〉の続編が!
日本に伝わる昔話を新たに解釈したストーリー。ひとりぼっちの悲劇のヒロインに寄り添うように。物語では、脇役でいいように使われるキャラクターに「共感」して新しい展開を紡ぐ本。たまに発展しすぎるところも、愛の深さゆえ。サイドストーリー的なのが好きな人は、きっと好き。
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月で読む あしたの星占い/石井ゆかり
どーにも、こーにも、何かにすがりたいときってあるじゃないですか。とはいえ怪しいものには敏感なのでまったく信じないのですが。
石井ゆかりさんは星占いで大人気の方ですが、あくまで一歩引いた目線で語ってくれるのが好きなんですよね。肩書きも「ライター」ですし。
この本は、自分で少しだけ今日の運勢を占える本。どうにも不安!な日のお守りにぜひ。占いは、わたしにとってはエンタメです。
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マイパブリックとグランドレベル ─今日からはじめるまちづくり– /田中元子
森下にある〈喫茶ランドリー〉。地域の人も、外から来た人も、誰もが入れるコミュニティスペース。1,2度伺ったのですが、のんびりとした居心地と、風通しの良さに心がほぐれました。
そんな〈喫茶ランドリー〉を手がけ、まちを活性化させる仕組みを作る田中元子さんの本。これから読みます。
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魔法の文章教室/ナカムラクニオ
荻窪〈6次元〉店主であるナカムラクニオさんが伝える、文章講座。ふつうの文章術の本と一線を課すのは、ちょっと変わった技法で、だれでも楽しく書けるというところに重きを置いているから。
実は、昨年の春にナカムラさんが主催した小説講座へ遊びに行きました。ふだんから文章を書いている人はほとんどいない中、2時間でそれぞれが短編小説を書き上げちゃったんですよ。みんなで「あ」から単語を出し合って、気になったワードからタイトルを作り、内容を考えて執筆。
そうすることで、参加者全員が小説を作り上げてしまった、まさに魔法の文章講座。楽しみながら文章を書いてみたい人に、おすすめの一冊です。企画を考えるのにも役立ちますよ。
さりげなく本の中で、小説講座の写真が載ってました。真ん中に自分発見!
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以上、9月のおすすめ本を10冊ご紹介しました!もう、10月もすでに7冊くらいストックがあるんですよね…気になった本があればうれしいです!
関連記事:2019年8月の「いま、読みたい本」 #かも街books
毎月10冊のおすすめ&気になる本をご紹介しています。先月はカレーとか食べものの話が多め。