その土地を愛している人が作るごはんは美味しい。
「佐久の新鮮な食材に助けられてますね」なんて、シェフは笑って話していたけれど、土地を思う気持ちがプラスされているからこそ、味に深みが増している。
その土地でできた食材を丁寧に扱い、味覚だけではなく視覚でも楽しめるように心を尽くしているのが一目でわかるランチプレート。
古民家を自分たちで改装したという店内は、細部までこだわりが見えて、しばらく興奮が止まらなかった。温かみを演出する土壁、インテリアのアクセントになる梁、なめらかな質感の木のテーブル。座り心地のいい椅子に、古い木材を使ったカトラリーレストまで。
「カフェ」と名前がついていたから、カジュアルな雰囲気を想像していたけれど、これは特別な日に食べに来たいレストランの方がイメージに近い。それもそのはず、シェフは「エンボカ」というピザの有名店に勤めていたとのこと。店の本棚から見つけた「エンボカ」の料理本を開いて、料理の美しさに驚いた。
おいしさは味覚だけではなく、雰囲気や場を作る人によっても大きく変わる。
「佐久は田舎ですけど、いいところですよ」
そう話すのは、店へ入ったばかりだという新人のスタッフさん。かぼちゃのプリンを頂きながら、おすすめの店をたくさん紹介してくれる。
「わざわざ遠くからありがとうございます」と何度もお礼を言うシェフご夫婦に心が温かくなり、またいつか遊びに来ようと心に決めた。
佐久市のランチなら。〈Maru Cafe マルカフェ〉で地元の食材を使った美しいスモーブローを。店舗外観
佐久市でランチなら、古民家をリノベーションした〈Maru Cafe(マルカフェ)〉へ。店の名前の由来は、自然とのつながりや人との縁、循環などを指しているそうです。
自分たちでリノベーションを手がけたというお店は山の中のレストランのような雰囲気。
3連休の中日の13時過ぎにお邪魔したところ、2階にはお子さん連れのご家族が2組ほどでにぎやか。1階でのんびり過ごさせていただきました。
ちなみに駐車場は、店の数件先の角に「Parking」という看板が見えるので、そこを入って右へどうぞ。ちょっとわかりにくいので、事前にお店の方へ聞くのが早いかもしれません。
佐久市のランチなら。〈Maru Cafe マルカフェ〉店内
佐久を選んだ理由は、奥さまのご実家だったそう。もともと別の場所で働いていたご夫婦が、休日に手伝っていた農家さんの畑で出会って1ヶ月で結婚されたんだそう!奥さんの実家のそばで店を始めて5年目。
お店は昭和初期に建てられた建物を、ほぼ自分たちでDIYして改装したとのこと。使い込まれた木材の艶やかさや味わいは、これぞ古民家カフェの醍醐味と言えるほどうつくしい。
ムック本の表紙にもなっていました!
大きなガラス戸からは自然光が差し込み、穏やかな日差しを楽しめます。
お手洗いのドアも素晴らしい!籠編みのよう。
クッキーや塩など、お土産に買いたいものもたくさん!わたしは友人への手みやげに、グラノーラを買いました。他も色々買いたかった…!
古民家カフェは寒いと思われがちですが、暖炉もストーブもあって、足元も温まるように配慮してくださいました。
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佐久市のランチなら。〈Maru Cafe マルカフェ〉メニュー
マルカフェのランチは平日はスープとパンとサラダのランチプレートとのこと。週末に行ったので、この日は週末用メニューで前菜つきスモーブロコースでした。
ちょうどわたしたちの分でランチが終わってしまったようなので、遠方の方は予約か電話でお問い合わせした方がいいかもしれません。
まずは前菜を。佐久は鯉が有名だそうで、佐久鯉の魚醤を使ったもの。
ビーツの仲間で、うず巻き模様が特徴のキオッジャを添えたサラダ。自家製ドレッシングは甘酒とトマトを使ったもので、お砂糖を加えていないのに甘い!トマトのジューシーさが際立ちつつ彩りに華を添えています。
そしてでてきました!メインプレート!なんて美しいの…!食べるのがもったいない…!
デンマークの郷土料理「スモーブロ」は、長野県上田市にあるhalutaのもの。こんなところでhalutaのパンに出会えるとは…!スモーブロとは、オープンサンドイッチのこと。ライ麦パンに様々な具がのっています。
東京・馬喰町にオープンしたhalutaのギャラリーも、スモーブロをやると話していたような。関連記事:北欧インテリアと、デンマークのコーヒー、スモーブローを楽しむ。halutaが〈frø(フォイ)〉を馬喰町にオープン!
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グリル野菜は、佐久の野菜の素朴な美味しさを生かし、平飼いの卵を添えて。食用ほおずきは、甘酸っぱくてフルーツのような味わい。ほおずきってこんなに美味しいんだ…!
クリーミーなチーズとビーツのスモーブロ。
こちらはシナノユキマスと発酵ディップで、こっくりした味わい。
ジャガイモポタージュが衝撃的なおいしさ。通常のジャガイモポタージュは、ミルクベースのさらりとしたものだと思うのですが、こちらはじゃがいもをそのまますりつぶしたような濃厚さ。それでいてさらりとした口あたり。炒め玉ねぎの甘さが追いかけてくる。
ひとつひとつ丁寧に素材と向き合って、愛情を込めたランチに出会えて心までほどけるようでした。
次のカフェへ行く前に、どうしても食べたくてデザートセットを追加。かぼちゃのプリンもかぼちゃ本来の甘みをふんだんに味わえるよう、甘さをいかしつつ苦めのカラメルをたっぷりと。
マルカフェのキッチンには、棚にずらりと作家もののうつわが並んでいました。
野菜や食材本来の素朴な味わいを引き出して、ビジュアルからも美味しさが伝わってくるようなこだわり。
佐久へ行くべき理由は、このカフェがあるからと言っても過言ではありません。
佐久市のランチなら。〈Maru Cafe マルカフェ〉店舗情報
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