年末の帰省はいつもハラハラする。
直前にならないと休みのスケジュールが立てられない我が家は、新幹線自由席の行列に並ぶのが毎年の行事のひとつになっている。
一昨年は寒空のホームで2時間並び、混雑する場所にいるとどうにかなりそうなわたしはヘロヘロだった。去年の年末も覚悟して並んだところ、拍子抜けするくらいあっさりと列は進み、するっと乗り込めた。
それでも約4時間半もの間、新幹線に揺られていると、電車酔いぎみに。いつも着く時間に合わせて夫の両親が車で迎えに来てくれるところを、1時間ほど遅らせてもらい、いつもなら車で通るだけの駅前の街並みを散策した。
山口県は徳山駅。数年前、駅前に大きな蔦屋書店と図書館が融合した施設ができた。賛否両論あるらしいけど、若者で大にぎわいだ。
商店街をブラブラすると、さすがに年末年始だからか人もまばら。開いている店も少ない。
Googleマップとにらめっこすると、意外にも喫茶店が何軒もあることに気づく。
「白十字だって。なんか良さそうじゃない?」
辿り着くと、貴族の洋館のような品のある佇まいに圧倒された。
「こんな喫茶店があるなんて知らなかった」
そう話す夫は、地元で素敵な喫茶店があったことに誇らしげな顔を浮かべるのであった。
周南市の喫茶店なら〈白十字〉のコーヒーで午後の一杯を。店舗外観
山口県周南市・徳山駅すぐの喫茶店〈白十字〉は、品のある煉瓦造りが美しい喫茶店。
「白十字」という名前のついた喫茶店、よく見かけるけど系列店なのだろうか…?
周南市の喫茶店なら〈白十字〉のコーヒーで午後の一杯を。店内
逆光も美しい、白十字の窓際。長旅の疲れからか、暖かい室内でうとうとしちゃいました。
店内は美術品がずらりと並び、居心地の良い空間が広がります。
大人数でもOKの広々とした店内。創業50年以上とのことで、今の店内になったのは平成元年なのだそう。きっと平日はサラリーマンが商談で使うんだろうな。
周南市の喫茶店なら〈白十字〉のコーヒーで午後の一杯を。メニュー
シルバーのお盆で出てきたのは、キーコーヒーが出している〈トアルコトラジャ〉という品種のコーヒー。浅煎りで飲みやすく、酸味も少なくてちょうどいい。ボケちゃったけど、おかきがサービスされるのが好き。
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オリジナルのグラス、デザインが素敵なんですよ。ほしい…
「いつから営業してるんですか?」と喫茶店のマダムに聞いて話していたところ。
夫が「帰省で地元へ帰ってきたんです。こんなところがあるの、知らなかった…」と話すと、顔がほころんで「あらそう〜!おかえりなさい」と温かく迎えてくれました。
店員さんのおもてなしに、心がゆるむ瞬間。街の喫茶店めぐりの楽しさはこんなところにもあります。
周南市の喫茶店なら〈白十字〉のコーヒーで午後の一杯を。店舗情報
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