地獄の閻魔様は意外にも温厚だった。
銭湯らしい、見晴らしの良い山の壁画のとなりには、なぜかおどろおどろしい閻魔大王の絵が引き伸ばされている。
絵の下には、かすかに香る漢方の香りのお風呂と水風呂。
「もしかしてスーパージョッキーの熱湯コマーシャル並みの熱さなのでは…」とおそるおそる入ると、ふつうに42度くらい。
水風呂もたいてい20度くらいの銭湯が多い中(個人の所感です)、まさかの30度。ぬるめのプールみたいだ。キーンと冷たい水風呂も好きだけど、久しぶりの体にはさすがにこたえる。タカラ湯の水風呂は、ほどほどの刺激が心地いい。
ぽけーっと絵を眺めると、火の鳥が画面を横切るように大火を吹き、小鬼たちが意気揚々と火あぶりしている。リアルじゃないけどリアルに怖い。
実は、気持ちの良さそうな山の壁画が描かれたお風呂の方がけっこう熱い。隣にはビリビリと刺激が気持ちいい電気風呂もある。
それと、女湯にはミニサウナもあった。定員4人でいっぱいになりそうな、こじんまりとしたスペース。だけど、テレビも音楽もなく、ほんのりと自然光が差し込むくらいの明るさが妙に心地いい。
おまけにロビーには縁側まである。なんと男湯の脱衣所からは庭も望めるそうだ。東京メトロのCMで石原さとみさんが座っていた縁側。(毎週水曜に入れ替えとのこと)
お風呂上がりにコーヒー牛乳を飲みながら、ふだん観ないニュース番組をぼんやり見る時間が好き。
タカラ湯は、どうやら東京で「ベストオブ縁側」と名高いらしい。
こんなに楽しませてもらって470円でいいの?と思わせてくれる銭湯。受付のお母さんも優しくて、ちょっと遠いけど、また必ず来よう。
下町のおすすめ銭湯:北千住〈タカラ湯〉外観
〈タカラ湯〉は、最寄りの北千住駅から徒歩20分。この日は浅草へ寄った後に都バスで向かったので、バス停から歩いて10分ほどで着きました。
立派な宮造りと、入口の七福神が素晴らしい。
こういうフォントもたまらないんです。「ペンギン風呂」とは、小さなペンギンの像が立っているお風呂のこと。(女湯のみ)子どもも楽しめる仕掛けがあります。
建物の裏手にはえんとつも。
入口の右側にかかっている看板に、「わ」と書かれています。
これは「お風呂が沸いてる=営業中」って意味だそう。反対は「ぬ」。意味は「お湯を抜いてる=準備中」です。これおもしろいな。
東京メトロのCM、石原さとみさんが可愛すぎるから見て!
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下町のおすすめ銭湯:北千住〈タカラ湯〉ロビーにある縁側
お風呂の感想は冒頭に書いたので、ここでは撮影OKのロビーと縁側をご紹介します。
暑い日の夕方、ひとっぷろ浴びた後に縁側でビール。そんな楽しみ方もできます。
エアコンの効いた室内から縁側を眺めることも可能。蚊に刺される季節なので、個人的にはロビーからガラス越しに縁側を見るのがおすすめ。
いやー、縁側があるだけで旅館へ来たかのような気持ちが味わえて楽しかったな。足立区には銭湯が多いそうなので、他の場所もお邪魔したいと思います。
また、好きな銭湯が増えました。
下町のおすすめ銭湯:北千住〈タカラ湯〉店舗情報
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