在りし日のままで残った建物は、どんなに稀有で幸せな存在だろうか。
1928年に建てられた銭湯〈快哉湯 かいさいゆ〉は、2016年11月に営業終了するまで、地元の人に愛されていたそう。
去年の終わり、この辺りについて調べていた時に快哉湯の存在を知ったときは、コワーキングスペースや地域の人が集まる集会所のように使われていると聞き、そんな風に利用できる人がちょっと羨ましかった。
そう、2年前くらいから銭湯への愛が膨らんでいます。最低、週1回はどこかの銭湯へ行きたい。いろいろ巡るうちに好みの銭湯と出会ったり、銭湯が今おかれている状況を知ったり。
後継ぎ、建物や施設の老朽化、運営費など一筋縄ではいかない問題が山積みで、わたしの好きな喫茶店と同じく、銭湯も減少の一途を辿る一方。
快哉湯も同じで、家族で経営していたけれど老朽化などで銭湯として残すのが難しくなったとのこと。でも、この場所を残したいという思いが繋がって、今日ここにカフェとして新しい命が吹き込まれたのです。
おいしいコーヒーとアイスを片手にぐるりと見渡せば、脱衣所で使われていたであろう古い体重計や大きな古時計、それに風呂場の壁画も見える。実は番台にも登れちゃう。
銭湯で感じる居心地の良さをカフェで感じる。これは銭湯好きを惹きつけるのみならず、「銭湯っていいかも」と思わせるきっかけづくりにもなるはず。
〈レボン快哉湯〉の暖簾には、「地図から消さない」というキャッチコピーが書かれている。消えずに残った幸せな銭湯は、あたらしいお客さんを待っています。
入谷のカフェ〈レボン快哉湯 かいさいゆ〉店舗外観
入谷駅のすぐ近く。裏通りにあるカフェ〈レボン快哉湯〉は、まさに「ザ・銭湯」そのままの状態でオープンしました。
銭湯が好きなら、この靴箱にもときめいちゃうはず。
入谷のカフェ〈レボン快哉湯 かいさいゆ〉店内
〈レボン快哉湯〉は、銭湯の脱衣所の部分がカフェスペースに。入って右が女湯ゾーンで、カウンター席とテーブルが3つほど。
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天井が高いのも気持ちがいい。
なんと!銭湯好きなら誰もが憧れる番台に座れちゃいます。(店の方に一言かけてね)
けっこう高さがあって危険なので、足元には注意を。
番台の座る部分、畳になってたんだ!掘りごたつのように足が入れられます。
番台からの眺め。
男湯も女湯もすっきりくっきり見渡せます。
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あちこちに歴史を感じるモノが。
すりガラス!
昔ながらの体重計。
靴箱の札には手書きの文字が。
庭もあります。
掛け時計も味わい深い。
男湯はこちら。
モダンなインテリアのカフェスペースに早変わり。どちらのスペースも繋がっているので行き来できます。
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コーヒーはここで自家焙煎されているそう。
銭湯の可愛いタイル発見!
ちなみに奥の洗い場はこんな感じ!
お風呂のタイル、ローズとライムグリーンの色の組み合わせがいい…!花瓶や置きものは昔からあったのかな。
洗い場ゾーンは、リノベーションした建築家の方のオフィスとして使われています。この日は自由に見学できましたが、行ったときにスタッフの方に聞いてみるといいかもしれません。
興味津々に覗いてたら、「ここ見学OKだそうですよ!」と隣にいたお客さんが声かけてくれました。ありがとうございます!その後スタッフの方もいろいろお話し聞かせてくれました…!
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入谷のカフェ〈レボン快哉湯 かいさいゆ〉メニュー
〈レボン快哉湯〉のメインメニューはこちら。自家焙煎のコーヒーと自家製アイスクリームがセットになったプレートは980円。
ブルーベリー&エチオピアを。
コーヒーの味の違いに疎いわたしでも、はっきりとわかる美味しさ。これがフルーティーっていうのかも。ブルーベリーアイスも、手作りだとわかる素朴な優しい味わい。少し食べてからコーヒーをアイスにかけるのもオススメだそう…!(後で知りました…!)
ああ、美しい。
もうひとつは、自家製コーヒーゼリーオレを。
ぷるんとなめらかなコーヒーゼリー入りのドリンクは、夏の午後にぴったり。
レモンシロップが入っているのがポイント。後味すっきり。
数年前に京都にある〈さらさ西陣〉という銭湯カフェを訪れたことがあるのですが、その時からずっと、こんなカフェが東京にもあったらいいなと思っていたんです。なにより、文化的価値の高い建物が残ってくれるのはとても嬉しいこと。
上野駅から一駅。鶯谷や入谷駅からそう遠くないので、ぜひお散歩ルートに加えてくださいね。
入谷のカフェ〈レボン快哉湯 かいさいゆ〉店舗情報
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