浅草から上野までは銀座線で3駅。
電車で向かえばたった5分で着く道程を、あえて歩きたくなる理由は、街並みがおもしろいから。
雷門から出発し、田原町の角を曲がって大通りを歩くと、合羽橋へ。その後、仏壇屋が並ぶ仏壇通りへ。東京メトロ銀座線、稲荷町駅の入口は開業当初から使われているそうで、どことなくモダンな印象。
まっすぐ進めば、1929(昭和4)年に建てられた、比留間歯科医院。
古い建物好きにたまらないスポット。今も営業しているようなので、中が気になります。
その近くで見つけた〈翁庵 おきなあん〉は、明治32(1899)年創業の老舗の蕎麦屋さん。「東京のおそばらしいおそばやと思います」と料理家の土井善晴先生が評した蕎麦を頂きました。
上野のおすすめランチ〈翁庵 おきなあん〉で老舗の蕎麦を 店舗外観
上野のお蕎麦やさん〈翁庵〉があるのは、台東区役所の近く。JR上野駅からは中央改札を出て左に進み、そのまま大通りを目指してまっすぐ。高速道路の下をくぐったらそばの信号を右手へわたります。
〈翁庵〉の建物は昭和2年に建てられたものだそう。
食券制で、入るとすぐに注文し事前に会計する形なので、メニューは入る前に見ておきましょう。
〈翁庵〉の名物は「ねぎせいろ」。温かいそばつゆにねぎとイカのかき揚げが入ったものだそう。
惹かれる暖簾。よく見るとうっすら格子の織地が見えます。
上野のおすすめランチ〈翁庵 おきなあん〉で老舗の蕎麦を 店内
〈翁庵〉で体験してほしいのは、この建物!昔ながらのお蕎麦やさんで、奥の厨房の様子がほんの少し見えるところとか、きちんと並べられたお椀やお盆が並ぶ様子もいい。
老若男女の店員さんがキビキビと、そして空いてくるとちょっと雑談して楽しそうなのもいい。
壁沿いにずらりと並ぶ著名人のサイン。料理家の土井善晴先生や、落語家の林家木久扇さん、女優の三田佳子さんなど、そうそうたる顔ぶれ。
「本当はラーメンよりもそばが好き」という木久扇さんの言葉に笑っちゃいました。
調べてみたら〈木久蔵ラーメン〉 なる商品をプロデュースしてたんですね…!パッケージのイラストが昔のアンパンマンみたいな、懐かしさを感じるテイスト。これは気になる。
この建物で一番見てほしいのは、市松模様に編まれた天井!
この模様が美しくて、ずーっと上を見ていました。
上野のおすすめランチ〈翁庵 おきなあん〉で老舗の蕎麦を メニュー
翁庵のメニューはこちら。
「ねぎせいろ」を頼むか迷って、「天ぷらせいろ」に。
エビとかぼちゃの天ぷらに、濃いつけ汁が一緒に出てきました。つけ汁はあったかいのと冷たいものから選べます。冷たいものを選んだものの、キーンと冷たいわけではなく、ぬるめでした。
それにしても、かなり濃い…!そばつゆにおそばをがっつりつけてしまうとだいぶ濃い味になるので、ここはほんの少しだけつけて食べてくださいね…!
黒々とツヤツヤしたそばつゆには、かまぼこと小松菜のおひたしがアクセントに。がつんと風味の効いた、懐かしい東京のお蕎麦という印象でした。
上野のおすすめランチ〈翁庵 おきなあん〉で老舗の蕎麦を 店舗情報
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