毎日、とにかく必死だった。
今思えばどうしてもっと早く辞めなかったんだろう、とも思う。
あまりにハードな日々で、心身ぼろぼろの状態でようやく抜け出せた理由。
それは、接客業しかやっていなかったわたしでも、他にできる仕事があるかもしれないと気づいたからでした。
アパレル販売員を辞めようと決めたきっかけ
プロフィールでは、「「誰かの幸せ」を考えることよりも、まず「自分の幸せ」を大切にしようと退職。」と書きました。
細かく書くと、3つあります。
- 自分の生活を大切にしたかったから
- ひとつの目標を果たしたから
- 自分のキャリアに自信が持てなくて、他の仕事に就けると思っていなかったから
自分の生活を大切にしたかったから
月8日休み、1日8時間×勤務日数のシフト制で、休みはきちんともらえていました。
ただ、休みの日も毎朝スタッフの出勤確認をしなくてはいけないのと、スタッフが対応できないようなクレームが来た場合は容赦なく連絡がきます。
いちばんつらかったのは、誕生日で連休希望を出して、彼(今の夫)と日光に旅行に行ったとき。
スタッフの一人がインフルエンザに罹って、旅行先から急遽出勤しなくてはいけなくなったことがありました。
1日2〜3人で店を回していたので、1人倒れるとアウトなんです。(なので、わたしは風邪で休んだのは1回しかありません…)
病気になるのは仕方のないこと。
体調管理も仕事のうちとは言うし、わたしもその当時はそう思ってました。
でも、からだに負担をかけてまで働かなくてはいけないっておかしい、って今では思います。
このときほど、辞めたいと思ったことはありませんでした。
その日くらい、他の店舗からヘルプを回してくれたらいいのに。
店長だから、ってあんまりです…
休日でも羽を伸ばせないような仕事を続ける気力は、もう残っていませんでした。
日光から、そのときに勤務していた職場まで行く電車の中で、なんだか悔しくてこっそり泣きました。
この件で、ある意味見切りをつけたような気がします。
ひとつの目標を果たしたから
わたしが働いていた会社では、毎月個人売上ランキングの発表がありました。
みんなが想像するような「ノルマ達成しなかったらすごく怒られる」みたいなのはなかったけど、「個人売上は、その人の人格を表すものです」と書かれたランキングはプレッシャーそのもの。
そして、店長時代のわたしの売上は、店長の中ではほぼ毎回最下位。
かなりがんばってたけど、いろいろ足りなかった。視野が狭くて、成長する術を持っていませんでした。
他の店舗のブランド力や立地の強さ…そういう要因は加味されないし、当たり前だけど数字がすべて。
いつしか、「なんかしらで絶対表彰されてやる…!」と目標を立てていました。
そして、初めて新店オープンを任された店舗で、館内総合評価1位になりました。
店長3年目、4店舗目でのことです。
わたしの仕事を良く思っていなかった父親も、表彰式の写真を見せると「へえぇ〜!」と満面の笑みで喜んでいました。(もちろん決して褒めたりしません、そういうの絶対言わないタイプなので、笑)
販売の仕事は不規則です。
真夜中に帰って、朝早く出勤する日が続いたときのこと。
「お前の会社バッカじゃねぇのか!」って罵倒されたこともありました。
当時は悔しくて仕方なかったけど、心配からくる怒りなんだなぁと後になって気づき、ハッとしたことも。(後々、父の若い頃はもっと無茶して働いてたことを知ります…)
2度の表彰をいただいて、ひとまず目標は達成。
ただ、仕事を辞められなかった1番大きな要因は「ささいな思い込み」でした。
自分のキャリアに自信が持てなくて、他の仕事に就けると思っていなかったから
当時のわたしの職歴は接客業のみ。
店長を4年半近くやっていたとはいえ、履歴書に書けるような資格はほとんど持っていませんでした。
色彩検定1級くらいかな、、、 それに加えて、業務でパソコンを使用することってほとんどなかったんです。
社内システムで簡易的に売上在庫管理するくらい。
毎日・週間売上レポートはすべて手書きのフォーマット。 業界的になのか何なのか…とにかく遅れていました。 Excelを使えば単純作業の負担が一気に減るのに、それすら気づかなかったし誰もやらなかった。
そもそも新しいスキルをつける時間なんてほぼないんですけどね。
セールの時なんて、30分×3の休憩時間を利用して、1枚ずつタグをチェックしセール金額を計算し、ミスがないかすべてチェック。 もちろん休むヒマはありません。(おかげで電卓打ちはスーパー速いです笑)
転職を考えたとき、ながく続けられる仕事に就くにはもっとスキルを身につけなければいけない。
そう痛感しました。
この仕事は好きだけど、自分の身を粉にして働くのはもう充分。
自分をなくすほど働くと、好きなものも嫌いになってしまいます。
ただ辞めたいけど、こんなスキルがない人が働ける職場なんて絶対ない…そう思い込んでました。
ちょうど結婚を考えていた時期でもあったので、自分の時間を持てるライフスタイルに変更したいと強く願うようにもなっていました。
一足早く辞めた同僚が、ハローワークの職業訓練から経理職に転職したと聞き、「勉強しながら失業手当でお金がもらえて、就職できるってすごい!」と驚きました。
制度は知らないと損をする、そう学んだ出来事。
派遣で事務職に転職した友人もいました。
その子にも、「まずは派遣会社3社登録してみたら?きっとすぐ見つかるよ!」と励ましてもらいました。
そして、自分でも勉強して、少しでもスキルを身につけること。(ここ大事)
退職後、友人から教科書を借り、Excelの超基礎を勉強しました。
やってみたら超カンタン!(四則演算と簡単な表つくれるようになっただけ、笑)
いかに自分で「できないこと」に対するハードルを上げていたか。
友人は「Excel使えなかったけど、面接で「使えます」ってフツーに言ったよ。 で、それから勉強した。」と…!
ちょっとしたハッタリすらかませない、弱い自分。。。
「使える」のレベルなんて人それぞれなんだから、言ったもん勝ち。(もちろん「使える」レベルに底上げするのも大事)
Word、Excel、ビジネスマナーなど、ほんのさわりだけ勉強して派遣の登録会に行きました。
未経験でできる事務職に就きたい、と相談しに。
幸いなことに、高校生のときに身につけたタイピングスキルがあったので、多少のプラスになりました。
「未経験でもできるお仕事はたくさんあるので、きっと大丈夫ですよ」と面談担当のかたに励まされて、 少しだけホッとしたのを覚えています。
面談やスキルチェックでのこと。
接客業を長年続けてきた=コミュニケーション能力がある、在庫や数字を管理すること、教えるスキルがあるなど。
自分では大したことないと思い込んでいた(今でも思ってる)ことが実は価値のあることで、どんな仕事にも活かせると気づいた出来事でした。
おかげですぐに、派遣で未経験OKの事務職に転職できました。
とりあえず、一歩でも動き出してみるって大切。
この経験は今でもとても役に立っています。
自分で呪いを作らない、どうなるかなんてわからないんだから、まずはやってみること。
ほんの少しでも、動き出そうとしている人に勇気を届けられたら嬉しいです。
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