「盆栽コーヒーって何ですか?」
振り返ると野暮な質問をしたな、と思う。
でも、聞きたくなるじゃないですか。盆栽とコーヒーが並列する世界。
「緑色のコーヒーだよ」と返ってきた答えを素直に受け止め、「じゃあそれで、お願いします」と返したけれども。
出てきたのは、ダークチョコレートみたいなベーシックカラー。
「ごめんー、間違えちゃった。盆栽コーヒー、ふつうのコーヒー色だったよ」と、おじさんがコーヒーを持ってきた時点で一泡吹かされたことに気づいた。
「でも、美味しいから!」と言われて飲むと、確かにちょっと酸味は強いけど苦味も控えめで飲みやすい。長居しなよ、と言わんばかりの量にも驚いた。
大宮は盆栽の街。それは知っていたけれど、盆栽になぞらえるコーヒーがあったとは。
ああ、確かに言われてみればコーヒーカップは緑色だし珈琲の色は土色ですね、と心の中で納得し、「大宮、カオスだな」とつぶやいた。
埼玉県大宮駅のおすすめ喫茶店〈珈琲館 伯爵邸〉店舗外観
大宮で喫茶店なら、〈珈琲館 伯爵邸〉へ。
〈大宮盆栽美術館〉という施設があるくらい、大宮は盆栽のまちとして世界中から注目を集めているそうです。
なぜかと思ってググってみたら、江戸時代の千駄木には植木職人が住んでいて、明治になると盆栽専門も登場したとか。その人たちが関東大震災をきっかけに大宮に移り、大宮盆栽村が生まれたとのこと。今でも「盆栽町」という地名があるんですね~。(参考:〈大宮盆栽美術館〉公式サイト)
お笑い好きにとっては、大宮といえば〈大宮セブン〉。勢いにのりまくっているマヂカルラブリーやGAG、ジェラードンといったよしもとの人気芸人が大宮の認知度をぐっと全国区にしたのではないでしょうか。
ということで、大宮ラクーンよしもと劇場の近くにある喫茶店に行ってみました。
なんか、外観からただならぬ空気が感じ取れません…?
今は24時間やっているのかわからないけれど、繁華街ならではの営業時間ですね。
埼玉県大宮駅のおすすめ喫茶店〈珈琲館 伯爵邸〉店内
地元の常連さんらしき人がのんびりダベる場所、といった雰囲気。
テレビはあるわ、日本画の隣にお面はあるわ、なんだかカオス。
でも、それが落ち着く日もある。外から中の様子が見えないので閉ざされた感じがいいのかも。
埼玉県大宮駅のおすすめ喫茶店〈珈琲館 伯爵邸〉メニュー
これでもか!というほど、メニューが充実していました。コーヒーだけで32種類!ランチもフードもいろいろ。
メニューに世界各国の料理があるのがめずらしい!聞いてみたところ、多国籍なスタッフが集まった結果、そうなったとか。おもしろいな。確かにいろんな国の人いたな。
ここまでワールドワイドな喫茶店はなかなかないかも。
わたしがオーダーした〈大宮盆栽コーヒー〉という謎ネーミングのドリンク。
コーヒージャグで提供されて、カップ3杯近くはあろうかという太っ腹なボリューム。おなかたっぷたぷ。
「まあ、ゆっくりしていきなよ」というメッセージを体全体で受け止めました。なんだか、ここ、おもしろい。
パワーを吸い取られたようなパワーをもらったような、不思議な感覚になりました。
近くのお寿司やさんの番人。
やっぱり繁華街にはまだまだ喫茶店が残っていますね。大宮に行く際はぜひ。
埼玉県大宮駅のおすすめ喫茶店〈珈琲館 伯爵邸〉店舗情報
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