• 日本橋・馬喰町

日本橋高島屋の屋上で、ゾウの面影を見つける

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デパートの屋上が好きだ。

とはいえ、わたしが幼い子どもだった頃の1980~1990年代では、すでに屋上遊園地の全盛期は過ぎていたように思う。

定期的に通うわけではないけれど、ふと都会の喧騒に疲れたときに、はたまた友達とお喋りするために、または仕事の休憩中にひとりになりたくて、日本橋高島屋の屋上へ向かった。

不思議なもので、地上ではどこでも店がいっぱいだったりするのに、屋上まで来る人は少ない。

最上階までエレベーターで昇るのにも時間がかかるし、特にこれといってなにかがあるわけでもないのがほとんどだから、わざわざ来る人が少ないのも納得だ。

なんだかそういう、ひとりの時間を愛していたり、少人数でぼそぼそと話すのが好きなような人のためのオアシスだと感じている。(もちろん、買い物の休憩にも使ってますよ。)

久しぶりに行ってみたくなった理由は、屋上にある機械室を見てみたかったから。

子どもが描いたような、ゆるやかな山が2つ連なったようなあの建物は、ゾウがモチーフだったと知って、確かめに行きたくなった。

うむ。見て納得。モチーフの由来を知るまでは、なんの形かわからなかったし、特に気にもとめていなかったけれど、これはまぎれもなくゾウだ。一度そうだと認識すると、わたしの凝り固まった頭ではゾウ以外には見えなくなっていた。

さて。

なぜゾウがモチーフにされたかというと、実はその昔、日本橋高島屋の屋上でゾウを飼っていたんだとか。

その名も「高子(たかこ)」。

いくら高島屋だからってシンプルすぎやしないか、と思わず突っ込みたくなりましたが、この時代はそれがかえってよかったのかもしれない。

ゾウの高子ちゃんは、1950年から4年間屋上で暮らし、その後、成長して建物が壊れることを危惧した高島屋が上野動物園へ移送を決めたのこと。屋上の床が抜けたら、それこそ危険。というか、飼う前に気づかなかったのだろうか、と思ったり。まだまだ情報が少ない時代だろうから、想像以上だったのかな。

成長した高子は屋上からクレーンで降ろすのが不可能になっていたそうで、ここでまさかの展開に。

村野藤吾がデザインした日本橋高島屋の中央階段を、一段ずつ一段ずつ、ゾウの高子ちゃんは自ら歩いて降りていったそう。えらいな、高子。

そんな高子ちゃんに思いを馳せると、やわらかなカーブを描く機械室が、今にも動き出しそうなゾウに見えてきて、しばらくひとりで眺めていた。

日本橋高島屋の屋上のみどころ

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日本橋高島屋のエレベーターは、ところどころにクラシカルな意匠が感じられるデザイン。

ここで使われている数字のフォントがたまらなく好きなので、ずっとこのままでいてほしい。

屋上フロアに着くと、そこはサンルームになっていて、窓に沿って丸いテーブルがいくつか用意されています。

そして、意外なほど見どころがたくさん!

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噴水のペリカンが気になる。あと、高島屋って京都発祥だったんですね!知らなかった…。

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奥には日本庭園も。七福神もいたような。(まとめようと思ってなかったので撮ってません)

それから、見ごろは過ぎていたけれど、ローズガーデンも素敵だった!

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東京でバラの名所というと、旧古河庭園・都電荒川線沿線。それに加えて日本橋高島屋の屋上にあるローズガーデンも心のリストに加えたいと思います。

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それから、高島屋の増築予定地にあったという、笠森稲荷神社も。

写真撮り忘れましたが、ベンチやテーブルもいくつかあるので、近くの会社の人たちがランチミーティングしてたりも。

平日だからかもしれませんが、とても静かでお天気も良くて、いいリフレッシュになりました。

昭和の建物が好きな人にオススメの本

昭和の高度成長期に誕生した、今ではシブいビルたちを集めた本がこちら。『シブいビル』は、内容もさることながら、大島依提亜さんのデザインが光る名著です。

ゾウの高子ちゃんについては、こんな絵本が出てるようです。(今見つけて買いました)

Amazonの試し読みで、クレーンで吊り上げられてる高子ちゃんの写真が見られます

日本橋高島屋 施設情報

そういえば新館がオープンした時にレポートさせていただきました~365日のパン食べたい。

日本橋髙島屋 おすすめ 365日 パン なかほら

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