「街歩きエッセイスト」という肩書きを決めたのが4年前。
その時に「こういうエッセイが書けるようになったらいいですね」と教えてもらったのが、SUUMOのサイトに載っていた、有名ライターさんの書いた作品でした。
「自分の育った街をテーマに、練習でエッセイを書いてみたらいいんじゃないですか？」と、当時ブログの師匠に宿題をもらったものの、結局やらずじまい。
他の課題はだいたいきちんとやった気がするけど、どうしても最後まで自分の街を題材にしたエッセイに手をつけられなかったのが、その後数年間ずっと心残りでした。
なぜ書けなかったかというと、書こうと思うとテーマが壮大すぎて、そしてネットでバズっているような、感情をさらけ出したようなタイトルや文章がうまく書けなくて。きっと、書くならそういうのが求められているんだろうな、と。
当時はそんな風に、いわゆる「エモい」と呼ばれる文章を書くにはもっと色々と正直にさらけ出さねばと思っていたようなフシがあります。
そんなことを考えすぎて、結局当時は書かずじまいで終わったのですが、なんと4年後に本家からご依頼いただけるとは思ってもいませんでした……！
書きたいことも、書きたくないことも、思い出したことも思い出したくないことも。
どう表現すれば伝わるか、どこをカットすればきちんと伝わるか。そして、どこをいちばん伝えたいか。
4年経って、少しは成長できているとよいのですが、全力を出して向き合ってみました。
ということで、育った街、浅草への純粋であり不純でもある愛と揺れる心情を、SUUMOタウンさんで書かせていただきました。
書くにあたり、編集してくださった「ツドイ」さんの編集力が素晴らしく、たくさんお力添えをいただいたことも良い思い出です。
読んでいただけたら、とっても嬉しいです。
「かもめと街」を初めて読む人に
