[連載]全日本ZINEファンクラブ vol.26

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※この連載は福岡にある「ブックバーひつじが」店主のシモダヨウヘイさんと好きなZINEをそれぞれ紹介しあうというコンセプトで始めました。毎月10日(シモダさん)・25日(チヒロ)の月2回、それぞれのサイトで往復書簡を公開します。前回のお手紙はこちら

 

ブックバーひつじが シモダさま

まだまだ暑さが続く中、なんとかお元気でしょうか。この調子じゃずっと暑さが続くんだろうなと思いつつ、季節は少しずつ秋に向かっているのを感じています。早朝に目覚めたときの日の昇る時間が確実に遅くなっているし、夜は鈴虫が鳴き始めました。

と、静かめにスタートさせましたが、なんと!9月8日の文フリ大阪でご一緒できるなんて!うれしい!まだカタログを全然見れていないので、前回のお手紙を見て驚きました。

それに加え、暑さにやられていると言いながらお店の営業に加えて、新刊2冊も作っているとは……。そのパワーが羨ましい!

前回も素敵なおすすめをありがとうございました。飯村大樹さんの『サッド・バケーション』は以前に『ママになるつもりはなかったんだ日記』のべっくやちひろさんからもおすすめされていて、ずっと気になっていたんですよね。この、表紙だけで作品の空気感が伝わってきます。タイミングを狙って読みたいです。

どの作品の作者さんも「ひつじがに来たことのある人」という共通点もいいですね。わたしも作り始めた頃は、どんなお店が置いてくれそうかとか相性とかも全然わかっておらず、(今もわかってないですけど)、都内だったらお邪魔して作品を見た上でお声がけしたりしてたのですが、お店という場を持つ方々へのリスペクトは絶対必要だと思うんですよね。(もちろん自分が全部できているわけではないんですけど)その感覚は、過去に実際お店に立っていたから根強いのかもしれません。

お店でZINEを販売するほか、定期的にZINEメインのイベントも行っているからこそ、自分からどこかに探しに行かなくとも集まってくるの最高ですね……!その場を作ること、開けたコミュニティを維持することに日々力を注いでらっしゃるからこそだと思います。そういえばわたしがひとりで伺った時に、近くにいたお客さんとさりげなく繋げてくれたことありましたね。あれも嬉しかったなぁ。

 

前置きが長くなりましたが、今回は2冊ご紹介させてください。

 

礎石 〜せきしろが初めて原稿料もらって30周年記念本〜

作家のせきしろさんが左右社から自由律俳句集を出版され、そのタイミングで出たのがこちら。

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原稿料をもらうようになってから今年で30周年記念に作られたZINEで、せきしろさんご自身のことをテーマに、ご活動される中で親しくなった方々が寄稿されています。

ここでしか読めないであろう、豪華な寄稿者の方々にうっとりしました。

その、いままで語られなかったエピソードを読んでいるうちに、せきしろさんの多面的なお姿が浮かび上がってくるようでとても新鮮でした。というのも、せきしろさん自身が作った作品を通してしかご本人のことを知らないので、語られるエピソードを読めば確かにご本人に感じるものと共通するのですが、またそこに収まりきれない出来事もあるわけで。

それに加え、大好きなザ・ギースの尾関さんの文章がとても素晴らしくて……!語られるエピソードももちろんよいのですが、心を揺さぶる文章を書くなぁとジーンとしてしまいました。パートナーである、飯野ふみさんのエッセイマンガも日常が見えてきておもしろくて!

最後のあとがきで書かれる、せきしろさんの信念はきっと今後なにか迷った時に何度も思い出すことになりそうで、こんな言葉に出会えてよかった!と思いました。

なんかもう、好きな人たち集めてZINE作りがしたい。ほんとうに自分が読みたいものは自分で作るしかないんだ、という気持ちを数々の作品を通して、今すごく感じています。『VACANCES』に出会った時も同じことを思ったんですよね。そういった意味でも背中を押された作品でした。

 

地震日記 能登半島地震発災から五日間の記録 / 鹿野桃香

次に紹介するのは、高円寺にある「ヤンヤン」という本屋さんでおすすめしていたZINE。

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震災に遭われた方のリアルタイムでの日記です。もともとはご自身の気持ちを落ち着かせるためにiPhoneのメモに記録されていたとのこと。その後、身近な友人にこの出来事を伝えるためにZINEで製作したそうです。その、あくまで「手紙感覚」で作ろうと思ったところがきっと読みやすさにつながっていて。

わたしは個人が語る言葉から、出来事の全体像を掴みたいという気持ちが大きくて。そういった意味でもとても貴重で有意義な作品でした。震災のことを考えると辛くなってしまって読めない人も、きっとこの形だと読めるし、心を守る予防的な意味でも読むといいのでは、と。

 

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あと2週間ほどで大阪の文フリですね!大阪で出店するのは初めてなので、どんな雰囲気かわからず緊張します。いつも当日はテンパっていますが、久しぶりに直接お目にかかれる日を楽しみにしています。

お互い寝坊せず、楽しく1日を過ごせますように!新刊完成、がんばってください!

かもめと街 チヒロ

次回の更新は「ブックバーひつじが」シモダさんです。(9/10公開予定)

 

**9月8日(日)は大阪の文学フリマに出店します**

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