「江戸時代に創業」と聞くと、ひれ伏すしかない。
流れ行く時代の中で、店を続けることは想像以上に難しいことだ。比べ物にならないくらい小さな話で申し訳ないが、わたしはフリーになって1年半経った今、ますます先の見えない状況でだいぶ挫けそうだった。
話を戻すと、最近、苦手だった歴史に興味を持ち始めている。歌川広重が描いた「名所江戸百景」と同じ場所を巡ってみたり、はたまた昭和の東京を映したYouTubeを観たり。
テストの穴埋めだけのために覚えた日本史は全て忘れたし、恥を捨てて言えば一般常識レベルの歴史すらスルーして大人になってしまった。
日本史の授業はマクロの話ばかりでミクロの視点がないのが、興味を持てなかった最大の要因だろう。
「俺が好きな蕎麦屋が浅草橋にあってさ、江戸時代に創業したんだよ。浅草橋といえばシモジマとか問屋街のイメージしかないだろ?でも、実はいい店たくさんあるんだよ」なんて教えてくれる日本史の先生がいたら、きっと前のめりで食いついたのに。
浅草橋駅からまっすぐ大通りを進み、暖簾を潜れば、喧騒から逃れて洒落た雰囲気を味わえる。
目を閉じて、江戸時代の風景を知り得る範囲で思い浮かべてみると、ますます「今まで続いてくれてありがとうございます」と感謝するほかない。
浅草橋でランチなら。〈江戸蕎麦手打處あさだ〉で静かな昼食を 店舗外観
浅草橋でランチをするなら、〈江戸蕎麦手打處あさだ〉へ。大通りに面したビルの1階とは思えない、風情のある佇まいが素敵です。
平日の13時半過ぎに行ったので、すぐに入れました。個人的には、浅草や蔵前を散歩する前に浅草橋でランチという選択肢をおすすめしたいです。12-13時のランチタイムさえ外せば、静かにごはん食べられる名店が多いので。
関連記事:老舗洋食屋のハンバーグからペリカンのサンドイッチまで!浅草橋ランチのおすすめまとめ
浅草橋でランチなら。〈江戸蕎麦手打處あさだ〉で静かな昼食を 店内
〈江戸蕎麦手打處あさだ〉の創業は、安政元年(1854年)。調べたところ、浅草にある甘味処〈梅園〉も同じ年に創業しています。
落ち着いた店内に飾られた絵画。浅草寺や上野不忍池の蓮の花でしょうか。わたしの座った席には、満開の蕎麦の花畑の絵が飾られていて素敵でした!
1階がテーブル席、2階はお座敷のようです。
SPONSORED LINK
それぞれのテーブルに置かれたメニューは、和紙で彩られていて美しい。忘れていた日本文化の素晴らしさに気づかせてくれます。
SPONSORED LINK
浅草橋でランチなら。〈江戸蕎麦手打處あさだ〉で静かな昼食を メニュー
あさだのお蕎麦は十割蕎麦。毎朝、石臼で挽き立ての粉を使い、つなぎを加えない手打ちそばです。
夏なのでやっぱり冷たいお蕎麦が食べたいですよね。
ということで、家族が注文したのは〈季節野菜天せいろ〉。
香ばしいごま油に食欲をそそられつつ、口へ入れればさっくりとした衣に旬の野菜の味わいがそのまま楽しめる、まさに熟練の技が光る天ぷら。人が頼んだ天せいろだけど全部食べたい。
美しい蕎麦、するすると口あたりがよく、あっという間に食べてしまいました。
SPONSORED LINK
あさだのそばつゆは、まろやかな甘みと鰹出汁の風味がたまりません…!
わたしは「とろろそば」を。
こちらも上品な味わいで、あっという間に完食。大和芋を使ったとろろと、そばつゆとの相性抜群です。立ち食い蕎麦だって大好きだけど、専門店でしか味わえない上品なお蕎麦も格別です。
そばつゆ入れや薬味がのった豆皿も素敵で、終始うっとり。
ちなみに今だけ、テイクアウトや日本酒の量り売りもやっているとのこと。近くの方はぜひ。次は夜にお邪魔したいです。
浅草橋のおすすめランチ〈江戸蕎麦手打處あさだ〉店舗情報
関連記事:下町おすすめの手土産まとめ
定番ものから、地元の人が通う店の逸品まで。ふらりと散歩しながら買い集めてほしい美味しさです。
浅草のお土産を浅草育ちのわたしが紹介!人気のお菓子からおかずまで。