「ときにルールを破らないと、生きている甲斐がない。」
という馬場さんの言葉を読んで、「ああ、だから11ぴきのねこたちは『やってはダメなこと』をいろいろやっちゃうのかな。」と想像した。
真偽はどうあれ、ダメと言われていることにどんどん手を出すねこたちの姿を見ていると、なんだか微笑ましいというか、動物みを感じるというか、どうも生真面目になってしまいがちな日本人に「もっといい加減でいいよ。」と言ってくれているような気がしてなりません。
と、いうことで、練馬区立美術館で行われている〈まるごと 馬場のぼる展〉へ行ってきました!
ちょっとした感想をまとめておきます。
〈まるごと 馬場のぼる展〉の会場は練馬区立美術館
〈練馬区立美術館〉へのアクセスは、西武池袋線の中村橋駅から徒歩4分ほど。公園と図書館が併設された美術館です。
ここの公園、でかい動物のオブジェがなんだかシュール。
見に行ったのは土曜日の夕方で、「1時間半くらいあれば大丈夫でしょ」とタカをくくっていたのですが、全然足りなかった…!
そして実は今週9月12日の日曜日までなので、混雑が予想されます。。。行く人はどうぞ早めに…!
〈まるごと 馬場のぼる展〉の撮影スポット
1Fには、こんなおうちのセットが!大人なので流石に入りませんでしたが、入りたかった…。
展示室は写真NGだったので、ここからはわたしの感想をざっくりとお届けします。
〈まるごと 馬場のぼる展〉の感想
1Fのスペースでは「11ぴきのねこ」の特集。原画やラフが並んでいます。上を見上げると気球に乗ったねこちゃんたちがいました。かわいい。
わたしが「11ぴきのねこ」の可愛さに気づいたのは大人になってからなのですが、色使いが洗練されていますよね。今見てもスタイリッシュな色使いで、まったく色褪せていない。
これ、実はリトグラフという印刷技術で作られていたそうで、使う色ごとに版を分けて印刷していたんですね。だから鮮明な色が残せていたようで。それを知れただけで満足。
また、貴重な馬場さんの朗読もここで聞くことができます。
それから、「11ぴきのねこ」が生まれるきっかけとなった「ニャンニャン曼荼羅」が展示されていて。シャチホコ食べようとしてた姿に笑いました。
1Fの展示はさほど広くないので、意外と展示少ないな、なんてのんびり構えていたら、2Fが広かった!
2Fの展示室では、馬場のぼる作品の全体像に触れることができます。
まさかの、幼少期から振り返るボリュームの多さ…!小5の時に描いた「まり」が素晴らしく、観察眼に驚くこと間違いなし。馬場さんの出身地である青森県三戸町では、町のあちこちに「11ぴきのねこ」がいるらしい…。いつか行きたい。
馬場さんはもともと漫画家だったそうで、「漫画家が絵本を描いている」というスタンスで作品を製作していたそう。漫画もたくさん展示されていたけど、時間がなくてあんまりじっくり見られなかったのが心残り…。
観察眼の鋭さは、街の通行人を描いたスケッチなどにも垣間見られます。
それから、手塚治虫との交流もあり、手塚マンガの作品にも馬場さん自身がよく登場してたとか!
また、新聞の夕刊で連載を持っていた時には、朝刊を読んでから9時には原稿を提出していたそう。見習いたいスピード感…!
どこかにおかしみと温かさを感じる馬場さんの作品、リアルタイムで味わってみたかったなぁとも思いました。
「まるごと」という展覧会のタイトルにふさわしく、見応えがありすぎるので最低2時間は必要かも。
遠方などで行けない方、もう一度復習したい方は書籍として販売されている図録をどうぞ!
〈まるごと 馬場のぼる展〉グッズについて
閉館時間の18時が迫る中、グッズ売り場は入場制限で並んでいました。最終日が近づいているので、さらに並ぶかも…。
名札シールが作れる機械やガチャガチャもあったので、気になる方はぜひ!
展覧会限定グッズはノートなどステーショナリーがあったのですが、わたしは限定は買わず、先行販売されていたグッズをいくつか。
「グッズは買わないぞ」と決めて行ったのですが、3000円くらいはまあ誤差でしょう…。もったいなくてまだ使えてないですが、花火のグラスかわいくないですか。
ああ、やっぱり図録いつかほしいな。
ということで、もうすぐ閉幕ですが行ける方はぜひとも行ってください~!
立川では〈ぐりとぐら〉展が開催中
〈ぐりとぐら〉の世界に潜り込めちゃう、体験型の展示です。
みんなが「ぐりとぐら」になれる!絵本をまるごと体感できる「ぐりとぐら しあわせの本」展へ