錦糸町には何度も来ているはずなのに。
大型商業施設が駅のまわりを包囲し、以前の街らしさが失われかけたように見えていたけれど、目を凝らせばまだあちこちにあった。
駅前のレコードショップでは大音量で演歌が流れているし、駅から少しでも離れれば、錦糸町らしい猥雑な雰囲気もきちんと残っている。
それにしても、駅近くにこんな痺れる喫茶店があったとは。
蔦の絡まる2階建ての小さな建物。
壁には、ピンバッジにしたいビジュアルの山型ロゴに「MOUNTAIN」の文字。黄色いプラスチックの板に書かれた「モーニングサービスタイム」。
最近は目的地をきっかりと決めずに、ふらっと自分の足で探す時間を大切にしている。誰かが行った情報は頼りになるけれど、知らないで見つけた時の驚きをなくしたくないから。
特に喫茶店は、あのメニューが美味しいとかよりも、その店が好きな雰囲気かどうかが大事。
そうすると、自分の直感に頼るしかない。
で、マウンテン。
想像以上に居心地が良かったんですよ、結構有名らしくって、創業50年以上らしいです。Googleマップでは〈喫茶マウンテン〉と登録されているけれど、〈カフェ マウンテン〉が正しいもよう。
テレビの置いてある店がちょっと苦手なのですが、ここではテレビが店員さんと常連さんのコミュニケーションの手段になっているところがいい。
しょうもないワイドショーは雑音にしかならないけれど、たまには誰かとああだこうだ言うのもちょっと楽しいもんね。
純喫茶で東京をめぐる旅ー錦糸町〈カフェ マウンテン〉 店舗外観
錦糸町は喫茶店の宝庫。錦糸町駅北口からバスロータリーを挟んで斜め向かいにあるのが〈カフェ マウンテン〉。アルカキットの真横にある、北斎通り沿いにあります。
グラフィックなロゴデザインが効いた窓。
店先のグラデーションタイルもロゴの山と合わせたようなグリーン。
こういう釉薬でグラデーションになっているタイルって、どうやって貼っているんでしょうね。隣り合う色を確認しながら貼っているのかな。いつかタイル屋さんに聞いてみたい。
純喫茶で東京をめぐる旅ー錦糸町〈カフェ マウンテン〉 店内
〈カフェ マウンテン〉は安心の分煙制。1Fは禁煙で2Fは喫煙のもよう。喫茶店めぐりは好きだけど、タバコのけむりがどうしても苦手な人も安心。
セーター(ニットではなくここではあえてセーターと言いたい)を着た年配のマスターがカウンターに座り、おそらく娘さんらしき女性がメインで店を切り盛りしているよう。
窓際のシェルランプ、かわいすぎませんか!シャボン玉のような丸み。夕方になれば明かりのゆらぎがきれいにでそう。
純喫茶で東京をめぐる旅ー錦糸町〈カフェ マウンテン〉 メニュー
うっかり撮る前にひとくち飲んでしまいましたが…。今日はカフェオレを。ミルクたっぷりでコーヒーが控えめなタイプが飲みたい日にぴったり。
喫茶店ではおなじみ、チモトコーヒー3兄弟に出会いました。
モーニングも気になる!
〈カフェ マウンテン〉は、フルーツサンドが人気のようで、この日は完売。次の楽しみにとっておこう。
作業が煮詰まっていたので、今日は平松洋子さんの〈食べる私〉を読みながらひといき。
デープ・スペクターさんから始まり、さまざまな人に「食べること」について聞いたインタビュー集。登山家と宇宙飛行士にもインタビューしているのですが、高山と宇宙船の中で人気の食べものはわさびだった、という発見。ああ、おもしろかった!
〈カフェ マウンテン〉の窓際の席、のんびりできて良いですよ。
純喫茶で東京をめぐる旅ー錦糸町〈カフェマウンテン〉 店舗情報
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