鳥獣戯画といえば、ウサギが遊んでいる姿を思い浮かべる方がほとんどかと思います。
最近では、あの鳥獣戯画をモチーフにしたエッセイマンガもSNSで人気ですね。
Twitterで見て買いました。かなり濃い内容をコミカルに描くマンガエッセイ。というか、鳥獣戯画ってウサギとカエル以外に何があるの…?と思うくらい、わたしは全然知らなかった…!
でも、あんなコミカルな絵巻物が大切に残されていた理由を知りたい、実物を見てみたい、という気持ちで内覧会へお邪魔しました。
BGMはレキシの「ギガアイシテル」を聴きながら、どうぞ!
鳥獣戯画展(2021年)の会場・入場方法
2021年4月13日から行われている、鳥獣戯画展の会場は東京国立博物館・平成館。
JR上野駅が改装してきれいになってたの、初めて気づいたかも。駅からの視界がひらけてとても気持ちいいです。
ちなみに、今回の展示は日時予約制になっているので、あらかじめ公式サイトから予約を忘れずに。
鳥獣戯画展の音声ガイドは声優・山寺宏一さん
ポップなイラストに惹かれて来たものの、「鳥獣戯画ってなんだ?」と思っている方も大丈夫。
音声ガイドがあれば、超初心者でも鳥獣戯画のあらましや見方が楽しく学べます。
今回の音声ガイドは、お子さんが聞いても楽しめるエンタメ度高めのガイドだったので、なにも知らないわたしもワクワクしながら絵巻見物できました。音声ガイドには、ウサギと子犬も出てくるよ。(「子犬です!」と名乗られたとき、キュンとしました)
今のガイド機って画像が出るものもあるんですね〜。「さっき見た、あの場面のことなんですけど」みたいに言われても、記憶力のないわたしは全然思い出せなくて。そういうときにガイド機に該当の場面が出てくるの、とっても良かったです。
やまちゃんが「じっくり見ておいてね」って言った箇所は要注目!急にクイズ出されるので。
知らなかった!鳥獣戯画のひみつベスト3
会場へ入る前に、驚くべき秘密を明かされました。
その1:鳥獣戯画は、誰が何のために書いたのか分かっていない
……おや?初期の目的、展示室へ入る前に明らかになっちゃった、、、
その2:鳥獣戯画には、全4巻ある
その3:ウサギやカエル以外にも、人物や架空の動物が描かれた巻もある
……そうなの?!全然知らなかった。。。
鳥獣戯画展(2021年)の見どころ
国宝とされている鳥獣戯画ですが、知っているようで知らない方も多いかと思います。そんな方でも楽しめちゃう、初心者に優しい展示構成。
はじめに、全4巻(甲・乙・丙・丁の全4巻)の違いをざっくり把握できるコーナーがあり、その後それぞれの実物絵巻を一巻ずつ見られます。なんと、全4巻を一気に見られるのは初めてなんだとか!
また、「断簡(だんかん)」と呼ばれる、もともと絵巻物の一部だったものや(参考:断簡-掛軸になった絵巻- / 東京国立博物館)、「模本(もほん)」から、絵巻物の原本では失われてしまった場面も見られます。
そしてなんと!展覧会史上初の、動く歩道で絵巻を堪能できます。(甲巻のみ)
これがアトラクションのようでおもしろい。絵巻物を間近にじっくり鑑賞できます。
思ったよりスピードがゆっくりなので、見やすいかと思います。自分のペースで見たい方にはちょっと不満が残る設計かもしれませんが、きっと混雑制限するために考え抜かれたシステムなのかな、と。(※動く歩道での鑑賞は、18:30までに待機列へ並ぶ必要があります)
個人的には、ずっと歩いていると疲れちゃうので、なんだかちょうど良かったです(笑)。
そして、素人には全然知ることのなかったウサギとカエルが登場する「甲巻」以降も音声ガイドと一緒に鑑賞しましょ。
続く「乙巻」は、ガイド曰く鳥獣戯画のサファリパーク。実在する動物から架空の動物までが一挙に登場します。
「丙巻」では、大人が勝負事に興じる姿が。
将棋はまだ分かるけど……わたしが気になったのが、「耳引き」「首引き」。あやとりで使うような紐を、おじさん2人が向かい合って耳に引っ掛けてひっぱりあってる…!要は、ガマン比べですね。
「首引き」はご想像の通り、首に紐をひっかけてひっぱりあう、スリリングな、というか、絶対やっちゃいけない遊び……。背後に奥さんの怒る顔を勝手に想像しました。
「丁巻」では、人々が流鏑馬に興じる姿も。絵のタッチも全然違う…!流れるような筆のタッチで、丙巻までの繊細なタッチとは違う雰囲気が感じられました。
そして第二会場では、鳥獣戯画の段簡や模本などが展示。また、鳥獣戯画が保管されていたという、京都・高山寺や明恵上人の紹介と続き、盛りだくさんの内容です。
鳥獣戯画展のオリジナルグッズ・図録に注目
鳥獣戯画展、グッズが充実しています!時間がなくて、じっくり見られなかったので、気になったものをざっくり紹介します。
まずは、展覧会の定番・クリアファイル。春らしいポップなカラーリングがかわいいです。
鳥獣戯画のウサギをモチーフにしたぬいぐるみがかわいい…。これが一番欲しいかも……!
飴が入った缶もモダンで素敵。小物入れにしたい。
ワッペン、白シャツに付けたい!
昨年のミッフィー展でもお披露目されていた、鳥獣戯画×ミッフィー。
去年のミッフィー展でも売ってた鳥獣戯画コラボ、何度見てもこれが一番いい。ミッフィー、たぶん話聞く気ないな pic.twitter.com/7GfAm9XtIp
— チヒロ / 街歩きエッセイスト (@kamometomachi) April 12, 2021
ミッフィー展で買った手ぬぐい、愛用しています。(今回の展示では販売されていない柄のようです)
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そして、鳥獣戯画展の図録ですが、とんでもないボリューム!全4巻の絵巻物をほぼ原寸サイズで堪能できる仕様になっています。かなり重たいので、帰り道は腕が鍛えられる…!公式サイトから通販もありますよ!(現在完売中のようです)
鳥獣戯画展は5月30日まで。
鳥獣戯画展のなにが良かったかといえば、ユーモアのある作品が800年もの間、大切に保管されていると知れたこと。
日本画というとハードルが高いし、なかなか興味を持つのが難しいジャンルだともいえますが、鳥獣戯画のようなコミカルな作品を見ると、昔の人に一気に親近感が湧きます。距離を置いていたのは、わたしの方だったのか…と。
そんな、超初心者でも楽しめる鳥獣戯画展は5月30日まで。事前予約制なので、あらかじめ予約を忘れずに!
特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」概要
会期:2021年4月13日(火)~5月30日(日)月曜休館 ※ただし5月3日(月・祝)は開館
会場:東京国立博物館 平成館(東京都台東区上野公園13-9)
※チケット詳細は「国宝鳥獣戯画のすべて」公式サイトまで(事前予約制)
特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」のチケットをアソビューで見てみる!
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