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〈川瀬巴水 旅と郷愁の風景〉新宿 SOMPO美術館へ行ってきた

川瀬巴水 新宿 SOMPO美術館

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旅に出たくなる。

川瀬巴水が描いた日本の原風景の数々を見ていると、そう感じるはず。

雨や雪に彩られた風景作品を見ていると、日常の世界にもこんなにドラマティックな一瞬があるんだな、とくすんだ心がリセットされるよう。

雪景色は好きだけれど、雨を嫌なものとして捉えがちなわたしは、次に大雨が降った時は川瀬巴水の目線になって美しさを感じたいなと思いました。

また、驚くほど美しい東京の街を描いたシリーズは、東京観光ガイドブックのよう。東京に住んだことのある人なら、「あの街がこんな風だったとは」と描かれた場所の過去の姿に驚くかもしれません。

東京に住む人なら、「たった100年でこうも変わるか」と、街の激変ぶりにも目を見張ること間違いなし。

版画で表現された川瀬巴水の作品は、江戸時代に一世を風靡した歌川広重「名所江戸百景」の真似だと揶揄されたこともあったそう。

絵の習い事を親戚の反対にあい、なくなく止めたことや、25歳で日本画の巨匠・鏑木清方の弟子入りをしようと試みたところ、歳をとりすぎていると断られたものの、その後27歳で許されたとか。

また、多作であるがゆえに作品がマンネリ化したことにも悩んでいた、と展示中のキャプションで解説されていて、「確かにそう言われると…」と思わなくもないところも一部あるのですが、今回の展示に関していえば、それだけ展示数が多くて見応えのある展示内容なんですよ。

最近は、ただ作品を見るというよりは、その作者のパーソナリティに触れた解説を読み、どんな人だったのか、どう感じて作品を作ったかということにとても興味を感じています。

そういう点でも、SOMPO美術館で今展示されている〈川瀬巴水〉展は良かった…!後期も行きたいな。

川瀬巴水の代表作

展示へ行くまでは川瀬巴水の作品はよく知らず、なんとなく繊細な風景画の画家、というくらいの認識でした。でも、どこかで見かけた作品がずっと気にはなっていて。

あのスティーブ・ジョブズも愛していたとのことで、ジョブズがコレクションしていたとされる作品のコーナーも、今回の展示ではありましたよ。

今回の記事の画像はシカゴ美術館より。川瀬巴水の作品がオンライン上で600点近く見られます。川瀬巴水 / シカゴ美術館

「芝増上寺」は3000枚刷られた、川瀬巴水の代表作とのこと。この作品は見たことある方も多いのではないでしょうか。

増上寺の三解脱門(さんげだつもん)は、くぐると3つの煩悩が離れるそうです。知らなかったー。煩悩だらけなので行ってみようと思います。

川瀬巴水の描いた東京・下町も

浅草・駒形の風景を描いた「こま形河岸 東京十二代」

その昔、駒形あたりは竹木商が多かったそう。隅田川岸にこんな場所があったの、今の姿からは想像できないなぁ。

向島あたりの作品も。https://www.artic.edu/artworks/197034/evening-snow-at-terajima-village-yuki-ni-fururu-terajima-mura-from-the-series-twelve-scenes-of-tokyo-tokyo-junidai

しんしんと降り積もる雪。描かれた場所を実際に巡るのもおもしろそうだな。

今の清澄庭園の過去の姿を描いたのは、「三菱深川別邸の図 池畔客室の雪」

先日ふらっと清澄庭園へ行ってきたのですが、こんな景色があったような…。右の建物はあったかなぁ。もう一度見てこようと思います。

川瀬巴水 新宿 SOMPO美術館

と、こんな風に、川瀬巴水の描いた場所へ行きたくなってしまう展示なんです。

もう何年も写真が上手になりたい、と思っているのですが、ようやく今になって写真以外にも構図を学べるものって山ほどあるんだな…と気づきました(遅い)。よく言われることだけど、実感がわかなかったんですよね〜。

写真以外にも絵画、映画、アニメなどなど。そういう点に気づけたことも、個人的には新しい発見でした。

展示は12月26日まで。

新宿 SOMPO美術館 東京 美術館 

こちらの展示は、12月26日まで新宿のSOMPO美術館で開催中です。

各展示室自体はそこまで広くないものの、5F〜3Fまでの3フロアに渡っているので、60-90分ほどの所要時間があるといいかも。2Fには週末と祝日のみ営業のカフェもありますよ!

週末の昼間もそこまで混雑していなかったので、今がチャンスかもしれません。わたしは予備知識ゼロで行ったのですが、散歩好きにはたまらないはず。

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