昔ながらの商店街と、新しい商業施設が入り混じる曳舟の街。
下町に住む者以外、馴染みのない街だけれど、実は東京スカイツリーのある押上からたった一駅先のエリアだ。
小学校から高校まで通っていたピアノ教室の発表会は、いつも曳舟文化センターだった。
ハレの日に訪れていた場所へ久しぶりに降り立つと、街の変わりようにクラクラと眩暈がした。
だけど、お店へ向かう一本道を歩くと小さな個人商店が連なっている光景に出会い、「やっぱり曳舟はいい街だなぁ」と思い直した。
大通りにある神社の赤い鳥居の並びには、昭和の香りの中華屋さんやカメラ屋さん。
背の低い建物が多いから、青い空が広く見える。
そんな街にあって、数年前からずっと気になっていた珈琲屋さんが「東向島珈琲店」。
大きな窓から見えるのは、古い街並みや、緑に囲まれた公園の景色。
常連らしきおじいちゃんや、若いカップルまで様々な人が週末の朝をのんびりと過ごしにやってくる、居心地の良い空間。
来た道を引き返し、駅のほうへ向かうと、東武伊勢崎線(現在は東武スカイツリーライン)の電車から見えていた、2階の喫茶店がまだ健在なのが見えた。
劇的に移り変わる街並みの中でも、よく見ればそのまま続いているお店もあるものだ。
見慣れた景色がなくなるのはさみしいけれど、街に溶け込むように佇む店がぽつり、ぽつりと増えていくのは愉しい。
今日は、老若男女に愛される「東向島珈琲店」へ。
曳舟のカフェなら。「東向島珈琲店」へ店舗外観
東武スカイツリーライン「曳舟」駅から歩いて約5分ほど。水戸街道沿いにあり、大きな窓からお店の中が見えます。
この看板から、絶対いいお店だって予感がしちゃいます。
憧れだったお店へ入る瞬間は、いつだって躊躇します。知りたいけど知りたくないような気持ち。
曳舟のカフェ「東向島珈琲店」店内
思い切って入ると、想像以上に素敵な空間が広がっていました。
入ってすぐ、カウンターはマスターが丁寧に珈琲を淹れる姿がじっくり見られる特等席。
窓ぎわのテーブル席は自然光が差し込む気持ちのよい席。
今回は中2階のソファ席へ。(撮り忘れました)ここはお店の全体が見渡せて、東向島の街並みを堪能しながらのんびりできる席。
2階の奥の席は、公園の緑がまぶしい、心地よい席。いやいや、どこも特等席じゃないですか。
ところどころに活版印刷の機械があって、たまにイベントをやったりしているそうですよ。
「東向島珈琲店」モーニングメニュー
今回は土曜日の11時ちょっと前にお邪魔しました。ぎりぎりモーニングセット、間に合った!
モーニングではめずらしい、2種類のコーヒーから選べるうれしいサービス。
「東向島珈琲店」のモーニングがこちら。
東京の伝統工芸、江戸切子のような模様のワンプレートでやってきたモーニング。バナナがあるのが下町の喫茶店ぽくていいなぁ。
自家製ジンジャーシロップの水割りがついてくるのがうれしい!さっぱりとした飲み心地で、朝にぴったり。
スクランブルエッグのような、トロッとした「自家製マヨネーズで和えたタマゴ」がすごく美味しくてうっとり。ジャムとタマゴ、どちらも楽しめるのがいいですよねぇ。
よい1日のはじまりを、東向島珈琲店から始めることができました。また必ずお邪魔します。
曳舟のカフェ「東向島珈琲店」店舗情報
蔵前でおいしいシュークリームとコーヒーを
蔵前で、美しいシュークリームに出会う。「菓子屋シノノメ」喫茶室オープン。