行列がきらいだ。観光地で行列に並ぶことほど苦手なことはない。
けれども。ずっと行ってみたいなと思って、のばしのばしにしていた場所があることを思い出した朝。
大きな暖簾が印象的なイノダコーヒー。東京にも支店があるのだから、わざわざ行かなくてもいいじゃないかと思いつつ、どんな雰囲気なのか知っておきたくてのぞいてみた。
吹き抜けのホールのような本館は、広々としていて気持ちがいい空間。大きなガラス戸からは、外の木々が生い茂っている様子が見える。
蒸し暑い京都の朝を、外のテラスで涼しげに過ごしている地元の人たち。常連さんが気さくに話す相手は、きびきびとお店を回す店員さん。
常連さんに話しかけられた店員さんは、きびきびした表情をガラッと変えて「その人自身」になって世間話に花を咲かせる。
そうそう、こんな日常が見たかった。いくら観光客に人気スポットになって、どんなに並んでも、常連さんという存在がいて、その人の居心地の良さを軸に回っているような、そんなお店の素の顔こそ、わたしが好きな姿。
今日は京都のコーヒーといえばコレ!な「イノダコーヒー本店」をご紹介します。
京都の老舗喫茶店をめぐる旅。イノダコーヒー本店 店舗外観
大きな茶色の暖簾。どこかの雑誌で見たことのある方も多いでしょうね。
お隣はトリコロールカラーが印象的は焙煎所なのかな?レトロで可愛いですね。
京都の老舗喫茶店をめぐる旅。イノダコーヒー本店 店内
平日の朝9時過ぎなのに、10人くらい並んでいました・・・!店内は広いのに、こんなに並ぶとは。と思いましたが、10分待たないで入れたので、タイミングによるかもしれませんね。
本館の吹き抜けがあるエリア、そして入口の焙煎所かと思った場所も喫茶室でした。
奥には別館もあるみたい・・・近くにも支店があるし、すごい人気ですね。
外の緑がとてもきれいで、ゆったりと過ごせる朝。京都人の暮らしが少しだけのぞけるのがたのしい。
朝から着物でランチしている奥さま、いらっしゃいますからね。
京都の老舗喫茶店をめぐる旅。イノダコーヒー本店モーニングのメニュー
今朝は軽めに済ませたかったのでロールパンセットを。しっぽまでカリカリのエビフライがサンドされています。
うれしいポイントが、飲み物またはスープが選べるところ。この日はポタージュスープでした。
そう、イノダコーヒーへ行ったのに、胃がコーヒー疲れしていてスープにしちゃいました。フタ付きの小さなポットに入ったスープがからだに染み入ります。コーヒーはまた今度。
仕事前にのんびりと新聞を読むサラリーマン、近くに住んでいそうな親子、商談に訪れている人たちなど、さまざまな「ふだんの暮らし」をのぞけるのが喫茶店のよいところ。
ぜひ京都の朝をイノダコーヒーでどうぞ。
京都の老舗喫茶店をめぐる旅。イノダコーヒー本店 店舗情報
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