「あの時代の喫茶店は、店の内装に随分とお金をかけてたからね。今じゃありえないけど。」
とある喫茶店のマスターに聞いた言葉が忘れられなくて、それからというものの、古き良き昭和の商店建築をまとめた写真集を買って、しばらく悦に浸っていました。
ちなみにその本のタイトルは「Showa style」。
本は追って紹介するとして、今回はそんな昭和のゴージャス感が感じられる喫茶店をまとめてご紹介します。
純喫茶で東京をめぐる旅:上野〈古城〉
上野にある〈古城〉は、1963(昭和38)年創業。地下にある、大箱系喫茶店です。ヨーロッパの城をモチーフにした店内は、あちこちに見どころがいっぱい。
店の奥にあるステンドグラスも美しいですが、床にもどうかご注目を。ふかふかのソファ席でゆったりと過ごせますよ。
うつくしい純喫茶の美術館。ヨーロッパの城をモチーフに。〈古城〉-上野
純喫茶で東京をめぐる旅:錦糸町〈桃山〉
錦糸町の〈桃山〉も、ノスタルジーを感じさせるゴージャス感がいい。
繁華街にあるため、こちらも間口は狭いものの奥まで進むとかなり広々としています。奥まっているので薄暗いのも落ち着くはず。ゲーム機のテーブルも、壁一面に揃った漫画もあって、いくらでも長居できそう。
特に注目したいポイントは、孔雀のステンドグラスの美しさです。
純喫茶で東京をめぐる旅:上野〈丘〉
上野の〈丘〉は、1964(昭和39)年創業。エントランスからドキドキしちゃう。地下に降りる階段もドラマティックで、まるで劇場へ入るかのような別世界への入り口。
弧を描く天井とシャンデリアが豪華絢爛。めまいがするほど素晴らしいです。
純喫茶で東京をめぐる旅:上野〈ギャラン〉
こちらも上野。人が集まる場所ゆえ、どこも大箱な喫茶店が多いですね。〈ギャラン〉は2Fにあるので、自然光がやわらかく差し込み、喫茶店ビギナーにも入りやすい雰囲気があるのではと思います。駅の近くに、こんなノスタルジックな喫茶店が残っているの、素敵じゃないですか。
ちなみに〈ギャラン〉は、1977(昭和52)年創業。
喫茶店&レトロ建築好きにオススメの本
冒頭で紹介した「Showa style 再編・建築写真文庫」は、昭和28~45年までに出た彰国社の「建築写真文庫」から店を中心に再編集した写真集。
去年、当時の「建築写真文庫」をあちこちの図書館で探していた際に、この本に出会いました。
きっと、「かもめと街」をチェックしてくださってる方は絶対好き。800ページものボリュームで定価5,500円だけど、買って損はないというか安すぎるくらいです。重すぎて鈍器のようだけど。どの店も物語が始まりそうな予感のする雰囲気のある店ばかりです。
純喫茶で東京をめぐる旅 ー 山小屋テイストが好きな人におすすめ
純喫茶で東京をめぐる旅 ー 山小屋テイストな喫茶店でひとやすみ編