ごちゃごちゃと飲み屋が乱立するオフィス街で、凛とした佇まいの看板を見つけた。
ベジタブルカレーが人気のカレー屋は、こじんまりとした入口のビルの5階にある。
朝の打ち合わせを終えて、時計を見ると午前11時30分。
「きっと一番乗りだろう」と勇気を持ってはじめての店へ入ると、すでに先客は4人いた。
ワンフロアの空間を贅沢に使った店内は、テーブル席がなくハイスツールが置かれたカウンター席がメイン。てきぱきと動き回る店員さんの無駄のない動きが、店にリズムを与えている。
ワイドショーが流れるテレビでは、誰かが知らない誰かのことを批評していた。
「知らない人のこと、よくもこんな風に言えるなぁ」なんて思いながら、3種類のカレーを待つ。
思ったより、からい。野菜のコクからくる旨さと辛さの中間で悶えていると、柔らかな声で「辛さは大丈夫ですか?」と微笑むマダムがいる。
その穏やかな声に、無意識のうちに力んでいたからだの緊張がほぐれた。時計を見ると、まだ12時前。それなのに、いつのまにか入口には行列ができている。
満席になった店内は、静かな熱気を帯びていた。
今日は、神田駅にある〈葡萄舎〉へ。
神田のおすすめランチ〈葡萄舎〉店舗外観
JR神田駅の近くで、気になる看板を見つけました。独創的でファンタジックなイラストに惹かれて近づくと、5階にカレー屋さんがあるようです。
「5階かぁ…この手のビルだときっと、急な階段を延々とのぼるんだろうな…」と思い込んでました、ごめんなさい。
よかった!2階からエレベーターが使えました〜、ほっとしたよ。
神田のおすすめランチ〈葡萄舎〉店内
5階にある店へ入ると、下北沢の飲み屋さんのような雰囲気。アート系のポスターやチラシがたくさん貼られているからか、そんな気がしました。こんな素敵な場所があったなんて…!
東南アジアを中心に放浪の旅を続けていたご主人が営んでいるそうで、開店直後へお邪魔したものの、なにやら静かな熱気を感じました。ひっそりと佇んでいるようで、熱狂的なファンに愛されてるような、そんな空気感。
年季の入った店内は、長年愛されている証拠。不思議と落ち着くのは、自由人だったご主人が醸し出す温かさからでしょうか。
神田のおすすめランチ〈葡萄舎〉ランチメニュー
〈葡萄舎(ぶどうや、と読むそうです)〉のランチは、4種類のカレーから選べます。全種類食べたいけど、選べるのは3種類まで。
ということで、トリプルカレーとアイスチャイを注文しました。
それぞれのルーの量がけっこう多い…!こちらがチキンがごろりと入った、ちょっとスパイシーなチキンカレー。
こちらはキャベツのココナツカリー。
ココナッツミルクでクリーミーな味わい。キャベツがメインのカレーってめずらしいかも?
こちらはオクラとムングダルカリー。見た目辛いように見えますが、意外とそうでもない。
野菜の優しい味わいが沁みるカレーです。「混ぜてもおいしいですよ」と、さらっと言い残して去っていったご主人。試しにとそれぞれ混ぜてみたところ、全体的にマイルドになって美味しかった…!
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カレーの付け合わせは、干しぶどう。市販のものよりもぐっと甘みが抑えられているので、もしかしたら自家製なのかも…?(違ったらすみません)スパイシーなカレーの箸休めになる付け合わせです。
〈葡萄舎〉のベジタブルカレーは、ほどよい辛さと野菜のうまみのバランスがよく、あっという間に完食してしまいました。これは全種類制覇したくなる…!アイスチャイの写真を撮り忘れてしまいましたが、こちらもスパイシーすぎす、ミルク感強めで好みの味でした!
帰りにエレベーターへ乗ろうとすると、レトロな看板を発見。
古いビルのエレベーターの注意書きは、フォントがかわいくてついつい撮ってしまいました。
店を出る頃には、近隣のサラリーマンの方々の行列が。こんな秘密の空間、ひとりランチにぴったりじゃないか。またフラリと訪れて、スパイスカレーを制覇したいです。
神田のおすすめランチ〈葡萄舎〉店舗情報
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