対談集って、好きな人が話していないと興味が持てない。
そう思っていました。
以前そんな失敗をしたわたし、「小林聡美さんは好きだけど、別に買わなくていいかな」と思っていました。
が、大好きな稲垣吾郎さんの読書バラエティ番組「ゴロウ・デラックス」を観て即購入。
小林聡美さんの対談集「ていだん」です。
買って大正解でした。
無知なわたしは、対談されているお相手に詳しくなかったのですが、だからこそ響いたお話がたくさん。
知らなかった世界の話に耳を傾け、考えるきっかけをたくさん作ってくれた本です。
読み終わる前に夫が勝手に読みだして、完全に「本の虫」になって一気に読み終えていました・・・!
本の趣味があまり合わない人(夫)でも、おもしろく読んで感慨深く浸っていたので、きっとこの本は楽しめる人が多い気がします。
「ていだん」とは?
てい-だん【鼎談】・・・三人が向かい合って話をすること。(広辞苑より)引用:「ていだん/小林聡美」
小林聡美「ていだん」を読んで、響いたところ
本に掲載されている対談は、全部で18組。その中でわたしが特に響いた箇所をご紹介しますね!
×井上陽水 ×川上未映子
井上 理論的に考えれば、これから先の未来について、悲観的なことしか考えられないわけなんだけど、最近はちょっとこう、希望を持たないとダメだなと思いますね。引用:「ていだん/小林聡美」
×もたいまさこ ×片桐はいり
片桐 「言ってることはわかるけど、世の中そんなふうには生きられないよね」と。「欲張らない」という感覚がわからなかったんです。世の中もまだまだ欲望がギラギラしていたし、自分も若かったんだと思います。でも聡美さんはあのセリフ、理解しておっしゃってたんでしょ?小林 私は……わかりましたよ。もたい 私も、わかりました。引用:「ていだん/小林聡美」
本の後半に出てくる小林さんの発言にも、とても共感を覚えました!
小林 「こうしなければ」ではなくて、自分にとって居心地のいい状態でいるのが、一番いいんじゃないでしょうか。引用:「ていだん/小林聡美」
×前田敦子 ×加瀬亮
加瀬 でも最近、お父さんが哲学者だという若い俳優さんと共演したのですが、彼が小さいときに「アイデンティティって何?」と聞いたら、お父さんが「自分で自分を認めることだ」と教えてくれたというんです。その話を聞いて「あ、自分で自分を認めることか」と。(中略)そうすると、日常で自分の行動も「あ、これをやると、どちらかというと自分を嫌いになる方向にいくな」とか「こっちをやっといたほうがいいな」とか。そう思うようになりました。引用:「ていだん/小林聡美」
小林聡美「ていだん」を読んだ感想
上記で抜粋した箇所以外にも、ご紹介したいくらい素晴らしいエピソードだらけでした。抜粋して伝わるかというと、きっとそうではないのであえて避けましたが。
小林聡美さんが魅力的なのは、自分の軸があるから。改めてそう感じました。そして「違い」を素直に受け止める力がある方なんだなと。
ああ、こんな人になりたい!
対談の他のお相手には、動物保護されている方や、家でご飯を食べられない子どもの支援をする団体の方など、ふだんあまり知る機会が少ない方のお話からリアルな現状を知ることができます。
問題に対して強く立ち回れる人、ただ言うだけで何もしないのに非難する人。
自分なりにサポートする人、大きく振る舞わずに、でもできる範囲で助けようと尽力する人。
無意識に、できる範囲で助けようとしている人の話にも胸を打たれました。
それは、別の機会に!
ぜひ、読んでみてはいかがでしょうか。
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