2階にあるから、ニカイなのか。
キリッと潔いまでにシンプルなネーミング。
上野公園から谷中へ向かい、カヤバ珈琲の角を右に入り、まっすぐ谷中霊園のほうまで。
古い町中華のある通りを入れば、2階建ての小さな建物が目に入ってくる。
金物屋さんとお蕎麦やさんに挟まれた店舗の1Fには、作家もののうつわが並んでいる。
階段箪笥のような形のロゴが目印の、最近谷中で人気のスポットが〈喫茶ニカイ〉。
古民家の懐かしさはそのままで、昭和レトロをぎゅっと詰め込んだ空間は、名物のクリームソーダと同じくらい見どころがたくさん。
すりガラスから差し込む真昼の日差しを存分に浴びていると、このまま猫にでもなって椅子の上に丸くなって寝ていたいなぁと願う。
そんな風に妄想にふけることができるのも、1人用の席があるから。
店を出て、どうやって帰ろうか思案していると、2人組の女性がなんどもハイタッチして別れを惜しむ姿に遭遇した。
そうだよね、この状況でなかなか会えないものね。誘いたいけれど誘えない、ただ時間だけが過ぎていくようなもどかしい思い。
いくつもの葛藤と不安と、それでも会いたいという気持ちの先にカフェがある。ひとりでも、ふたりでも。
それぞれにいろんなことを抱えたまま、2022年の冬が終わろうとしている。
谷中のおすすめカフェ〈喫茶 ニカイ〉店舗外観
谷中エリアには無数のカフェがありますが、最近気になっていたのは〈喫茶 ニカイ〉。
この建物は、三軒長屋だろうか?
左のお蕎麦やさんとは同じ建物のようだけど、右はどうだろう?高さが微妙に違うからくっついているように見えるだけかな。
〈喫茶 ニカイ〉へ行こうと思ったのは、お笑い芸人ゾフィーさんのコントに出てくるふくちゃん(人形)のインスタを見たのがきっかけ。だった気がする。
階段箪笥のようなロゴが目を引く看板。
谷中のおすすめカフェ〈喫茶 ニカイ〉予約について
谷中のカフェは席数が少ない店が多いのですが、こちらの〈喫茶 ニカイ〉では、InstagramのDMや電話で予約ができるとのこと。
確実に行きたい日は予約しておくのがよさそうです。
谷中のおすすめカフェ〈喫茶 ニカイ〉店内
〈喫茶 ニカイ〉があるのは、昭和の民家の2階。もともとどういう風に使われていたのかはわかりませんが、1Fには商店、奥にリビング&キッチン、2Fに子ども部屋が2つ、という感じなのかな。
2Fのふたつの部屋をどちらもカフェとして使っているようでした。
わたしは窓に面した1人がけのテーブルへ。
〈喫茶 ニカイ〉さん、昭和レトロの宝庫……!レトロに寄せたのではなく、建物自体をそのまま使っているので味わい深いです。
特に今では生産されなくなったと聞いたことのある、希少な昭和のすりガラスがあちこちに。
折り紙がはらはらと風に舞うかのような柄、そしてこちらはつばめのような手裏剣のような、はたまたブーメランのような柄。
サックスブルーを基調とした壁の配色もいい。
BGMは杉山清貴のレコード。ふたりの夏物語が流れていました。
特筆すべきは、それぞれのテーブルに置かれたステンドグラス。
ロゴがキャンドルホルダーに!
こちらは谷中にあるステンドグラスの店〈nido〉さんとコラボレーションで作ったものだそうで、オンラインショップで販売しているようです。かわいい!
店内にも数多くのランプが吊るされていて、どこか異国情緒が感じられるカフェ。ちなみに、そのランプたちも〈nido〉さんのものだそう。こういうお店同士の繋がりが感じられるところも素敵ですね。
谷中のおすすめカフェ〈喫茶 ニカイ〉メニュー
〈喫茶 ニカイ〉で人気なのは、スカイブルーのクリームソーダ。光に透かすと蛍光色のような輝きを放ちます。
……なのですが、こちらは実はクリームソーダのゼリー。
クリームソーダが飲みたいけれど、寒い日は厳しいな……って人にぴったり!こういうミニデザートがあるカフェ、ありがたいです。
ぽこんと載った白い球体は、ヨーグルトアイス。ほどよい酸味にベリーの甘酸っぱさ。
ゼリーはしゅわしゅわっとはじけるソーダ水フレーバーで、「かわいい」だけで消費されないように味わいにも工夫が感じられます。
スプーンでひとくち掬うと、青い洞窟のような眺めが見えるのはゼリーでしか見られないかも。
なんだか子どもの頃に売ってた、ジュエルリング(プラスチックの指輪にダイヤのような飴が付いている駄菓子)を思い出しました。
ロゴ入りの紙製コースターもかわいい!
よく見ると、「喫茶」の文字もちょっと変わっていて特徴的ですね。
見どころたくさん!今度こそクリームソーダを飲みに行きたいです。
谷中のおすすめカフェ〈喫茶 ニカイ〉店舗情報
谷中のおすすめ散歩ルート