父と娘の交換日記のよう。娘のイラストを完全再現した新しいお弁当の本! #かも街books

ザ・ギース尾関の「娘の絵を完コピ! 」 おえかきキャラ弁

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愛情の表し方は人それぞれ違う。

「大好き!」って気軽に言える人もいれば、絶対に言葉では表現しないけど、なんらかの行動によって、相手に届かないレベルで伝える人もいる。

特に、父から娘に対する愛情はわかりにくいことが多い。厳しい門限を決めて子どもに疎まれたり、心配しすぎて過保護になってしまったり。

わが家といえば、母は毎日「大好き!」と伝えてくるアメリカンなタイプ。父は正反対な、いかにも昭和の父親で、絶対に言葉に出さないし、嬉しくても褒めない不器用なタイプ。

父の愛情に気づくのは、大人になってずいぶん経ってからだった。

この本の著者の尾関高文さんは、〈THE GEESE(ザ・ギース)〉というお笑いコンビで活躍する芸人であると同時に、2児の父である。

ザ・ギースの作るコントは、芸人から「コント職人」と呼ばれるほどクオリティが高い。リアルとフェイクの中間で表現する作品たちは、想像の斜め上をいきながらも、日常の観察眼が光る緻密な表現にいつも驚かされる。まるで短編映画を観ているような、時に涙を誘うコントは秀逸だ。

話がそれてしまったけれど、そんな尾関さんの鋭い観察眼が生かされたのが、幼稚園に通う娘さんのために作るお弁当。

父から娘への愛情をぎっしりと詰めた一風変わった「キャラ弁」は、娘の描いたイラストを完コピと言えるほど再現したもの。その精巧さは愛の深さと同じ意味を持つ。

どこかシュールなのに、読み進めていくと父と娘の積み重ねた「日常」にギュッと心を掴まれてしまうのは、わたし自身がだいぶ大人になったからか。

尾関さんみたいな、目に見える形で愛情を表してくれる父が欲しかったなと思う。

けれど先日実家に帰ると、本棚には初めて紙媒体の仕事をした台東区広報誌のストックが並べられていた。あえて聞かなかったけど、父はどこからか探してきたのだろう。分かりづらい愛情表現であっても、ほんとうは父から娘への思いは同じなんだなと実感する出来事だった。

ふだん忘れがちな父への感謝の気持ちまで思い起こす、〈ザ・ギース尾関の「娘の絵を完コピ! 」 おえかきキャラ弁〉をご紹介します。

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完成度の高さに海外メディアが注目する、新しいキャラ弁

ドイツやタイ、中東からも取材されたという尾関さんのお弁当は、いわゆる「キャラ弁」というジャンルだけど、前例を見ない作品です。

「わたしの描いた絵をお弁当にして」という、娘さんの提案により、尾関さんは緻密にお弁当に落とし込んでいきます。
正確に再現しないと、容赦なく娘さんからのツッコミが入るそうで、女子は小さくても手厳しい…。数ミリの誤差を後悔する尾関さんに、娘さんへの愛を感じますね。

毎朝、絵とお弁当を並べて見せているというのにもほっこりします。

紙の本の楽しさを感じる構成

〈ザ・ギース尾関の「娘の絵を完コピ! 」 おえかきキャラ弁〉は、紙の本ならではのページをめくる楽しさがあります。

1つのお弁当に対して、見開きで娘画伯のイラストとお弁当の写真を見せ、次ページで尾関さんのエッセイとイラストレーターもぐ美さんのかわいらしい挿絵を。

1つの作品で4回楽しめる構成で、何度も読みたくなっちゃう。(3回読みました)
Amazonでも試し読みできるのでぜひ。

それはそうと、幼稚園児だという娘さん、発想が素晴らしすぎません?さすが芸人の娘。

将来娘さんが大きくなって、子どもの頃お父さんが作ってくれたお弁当を見たら。

お弁当に込められた愛を、実感できるようになった瞬間を想像するだけで泣けちゃうのは、きっとわたしだけではないはず。思わず笑みがこぼれて、ちょっとホロリとする本。ぜひ手に取ってみてくださいね。

ザ・ギース尾関の「娘の絵を完コピ! 」 おえかきキャラ弁

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