「こんな山奥に本屋があるのだろうか…」
初めてこの店へ来る人は、必ずそう思うだろう。
夫の帰省中、夫の両親にわがままを言って連れてきてもらった山口県長門市。海に向かって123基の鳥居が並ぶ〈元乃隅神社〉は、いまや山口県の観光スポットとして大人気らしい。
そこから車で約30分。日光のいろは坂かな?と思うくらい、カーブの続く山道を抜けて、長年憧れていた本屋があった。
「ロバの本屋」。
もともとは牛舎だった建物をリノベーションし、丘から景色が望める部分をカフェに、奥は本や雑貨などの物販スペースにした店だ。
自主製作のZINEはどれもクオリティが高く、あっという間に欲しい本が3冊も見つかった。海外の文具やアンティークのうつわなど、商品のラインナップは幅広い。
カフェのカウンターは山と空が見渡せて、静かに過ごしたい人にうってつけ。特等席はいちばん奥のソファーで、冬はガスボンベを改造した薪ストーブが室内を暖める。
お手洗いを借りに店の裏へまわると、たくさんの薪がずらりと並ぶ。きちんと整列した薪の力強い美しさに圧倒される。
暮らしのなかにある、美しさ。こんな風に暮らせる強さはわたしにはないからこそ、暮らすことを楽しむ強さみたいなものを感じる旅になった。
山口県長門市の観光なら〈ロバの本屋〉へ。店舗外観
山口県長門市へ観光に来たのなら、〈ロバの本屋〉へどうぞ。俵山温泉など、温泉地があちこちに点在する中、ぽつんと立っているのがこちらのブックカフェ。
ロバはいない…と思ったら、いました。
わくわくがとまらない店構え…
山口県長門市のカフェなら〈ロバの本屋〉へ。店内
〈ロバの本屋〉の扉を開けると、まずは気になるフリーペーパーがずらりとお出迎え。地域の気になる店情報は、こんなところにも転がっています。
あと、ゆるいフリーペーパーに出会えるのも好き。
奥には景色が望めるカウンター席とソファが。「田舎に暮らす」みたいなタイトルの雑誌の表紙になりそうな、素敵なインテリア。ああ、理想。
奥へ入ると物販スペースがあります。本のジャンルは、手仕事や建築、デザインなどの新書から古書まで。
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海外のポップな雑貨もたくさん!
作家もののうつわから、アンティークのカトラリーまで。
目の届くところの隅々までちょっとした仕掛けがあって、いつまでも見たくなる。
自主製作のZINEもずらり。ハイクオリティなものが並び、「ああ、これも買わねば」とすかさず手に取ったものがこちら。経堂の雑貨屋さんが作ったZINEもあって、わざわざ山口で出会うのがなんだかおもしろい。
〈ロバの本屋〉と東京・湯島の雑貨屋〈nico〉のオーナーさん2人が作ったロシアの旅ZINEもおもしろくて。
ロシアのトイレットペーパーの紙を比較したページには、なんと現物が貼り付けられています。凝りようがすごい!ちなみにどのペーパーもバリバリに硬くて、想像しただけでおしりが痛くなりそうな紙質です…見せたい…
刺しゅうのブローチもかわいい。この店が近所にあったら毎週通っちゃうな…
山口県長門市の観光なら〈ロバの本屋〉へ。メニュー
〈ロバの本屋〉のカフェでいただけるのは、東京・国立にある〈ねじまき雲〉のコーヒー。意外にも東京で焙煎された豆でした…!今回は、ジンジャーミルクで。
スープとパンセット、おやつも気になりますが、おなかがいっぱいだったので次回に…
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キーンと冷える年末に、あたたかなジンジャーミルクを。朴訥としたカップがすてき。奥にあるカラフルなおしぼりはキッチュでかわいい。
お手洗いを借りに外へ出ると、薪がずらりと並んでいました。
薪ストーブを使っている人からすればいつもの光景なのだろうけど、自然の作り出す美しさが素敵だなぁとしばしうっとり。
古民家をリノベーションして使うのに憧れてはいますが、多分わたしのような都会育ちには無理。古い建物をリノベーションするよりも、新しく建て替えたほうがよっぽど暮らしやすい、とも聞きます。
それでも愛情を込めて使われている古民家は素晴らしいし、自分の手で暮らしを作ることの尊さを感じました。
こんな風に暮らして、お店をやっている方がいることを知れて幸せです。
また、いつの日か。
山口県長門市の観光なら〈ロバの本屋〉へ。店舗情報
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