しょっちゅう行けるわけではないのに、恋い焦がれる店がある。
そのひとつが京都にある喫茶店「六曜社 地下店」。
ピーコックグリーンの艶めくタイルに誘われて階段を降りると、細いカウンターには丁寧にコーヒーを淹れるマスター。
「おまたせー」と低い声で合図するマスターが、ガラス戸から揚げたてのドーナツを取り出した。
せっかく京都に来たというのに、繁華街を歩いたせいでほとほと疲れてしまった。
「これはすぐに安心できる場所で一息つかないと、この旅自体がいやになる」、まるでウルトラマンのカラータイマーがピコピコなるかのようにピンチを察知して、あの店へ向かった。
今日は京都にある「六曜社 地下店」をご紹介します。
京都の老舗喫茶店をめぐる旅。六曜社の店舗外観
チェーン店や量販店が立ち並ぶ河原町の街角にある看板。
1階と地下にお店があり、地下は18時からバーになるそう。今回は2度目の来店ですが、やっぱり行きたいのは地下のフロア。
「やっと来られた・・・!」とドキドキする心を抑えて扉を開きました。
京都の老舗喫茶店をめぐる旅。六曜社の店内
細く長いカウンター席は、マスターが珈琲を淹れる姿を見られる特等席。
店の奥のカウンター席では、地元の学生カップルが楽しそうにおしゃべりし、反対の奥のソファ席ではお母さんと赤ちゃんと友達がのんびり。
この喫茶店が地元の人の暮らしに根付いている姿が見られるのがうれしい。わたしは全体をゆるりと見渡せるソファ席へ。
このお店の内装、大好きなんですよね。タイルの色が大好きで、この色を見るとほっとします。
京都の老舗喫茶店をめぐる旅。六曜社 地下店のメニュー
ここに来たなら絶対に食べたいのが、手づくりのドーナツ。マスターの奥さまが作ってらっしゃるそうです。
笑顔がにこやかで素敵な奥さまに、人混み疲れしていたわたしはとても癒されました。
ドーナツは、外側がカリッと揚げられたシンプルなお味。それがまたコーヒーに合うんです。
今回はアイスコーヒーと一緒に。アイスコーヒーが軽くて飲みやすくて、へとへとに疲れたからだにちょうど良かったです!
「ここに来さえすれば、ほっとできる。」
そんな風に思える街や店をたくさん見つけられたら、どんなことがあっても自分を取り戻すことができるような気がするんです。
京都へお越しの際は、ぜひ六曜社 地下店で静かな時間をどうぞ。
京都の老舗喫茶店をめぐる旅。六曜社 地下店の店舗情報
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