「〆切本2/左右社」は、締め切りに追われるすべての人への応援歌。

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今年の11月。わたしはいくつかの〆切に追われ続けていました。

「時間はあるのにやりたくない」「やりたくないっていうか、やりたいのに頭が働かないし、具合悪くなってきたからやれない」「ああもう全部やめて逃げたい気がしてきた」「とりあえず一旦寝よう」etc・・・

永遠にこのフレーズがループしていました。

そんなときに息抜きで本屋に行ったところ、気になっていた本と目が合いました。

 

それがこちらの「〆切本2」

 

「〆切」を抱えて苦しんでいるすべての人に読んでほしい本です。

 

 

「〆切」に苦しむすべての人へ。「〆切本」はこんな本

著名な文豪や作家たちが〆切に苦しみ、足掻いてるさまを集めた斬新な本。
 
ある人は毎回同じ言い訳を使い、ある人は〆切に遅れたくせに、原稿料は早めにと催促。
そして、一方の人は「書けなさ」でビルから飛び降りてしまいそうなくらい追い込まれる。。。。
ある人は、「完全に原稿を落とす」。
 
そんな作家の皆さまの「〆切」エッセイや、遅れたことへの詫び状(こんなのまで後世にとって置かれて公表される作家というお仕事・・・!!!つらすぎる)。
 
はたまた、そんな作家に翻弄させられる編集者や家族の苦しみ、、、が集められています。
 
 
チヒロ
やらなきゃいけないけど、やれないときにずっと読んでた
 
 
追われてるときって全力で逃げたくなりますよね・・・
自分で決めたことなのに!!
 
この「モヤモヤした気持ち」を全力で共感してくれて、心の支えになってくれるのがこの本。
 
調べてみたところ、パート1もありました。
 
 
 

 




「〆切本2」で見つけた、文豪を取り巻く「〆切」7選

まずはこちら。

小林多喜二

約束の日より遅れ、申訳ありません。枚数も多くなりました。この点もよろしくお願いします。

それから、原稿料は甚だ恐れ入りますが、成るべく早く(早ければ早いほどいゝのです)お送り下されば幸甚と存じます。

引用:「〆切本2」より 書簡 昭和七年 小林多喜二 

 

〆切に遅れたのにも関わらず、さっそく催促・・・!!!

 

太宰 治

義務の遂行とは、並たいていの事では無い。けれども、やらなければならぬ。なぜ生きてゐるか。なぜ文章を書くか。いまの私にとつて、それは義務の遂行の為であります、と答へるより他は無い。

引用:「〆切本2」より 「義務」太宰治

 

頼まれたときは「書ける」ときだったから「書ける」って返事しちゃったけど、なんかやっぱ書けないやー、みたいなことが延々と書かれてました。。。

松本清張

〆切が迫り、ホテルにこもって執筆活動をする先生。様子を見に来る編集者。

締切りが迫るにつれて担当のS君も本気に心配しはじめた。日に三回くらい蛎殻町の社から様子を見にくるが、原稿は停滞のままだった。わたしは申し訳なくて、ホテルの三階の窓から中庭に飛び降りたくなった。S君が何度目かに来たとき、それをいうと、ほんとにびっくりして、そんな考えは起こさないでください、と云った。わたしの顔色が変わっていたからだろう。だが、じゃア止めましょう、とはいわない。

引用:「〆切本2」 灰色の皺 松本清張

 

へ、編集者つらすぎるお仕事・・・

 

タモリ

タモリ氏の『ハナモゲラ語の思想』の原稿は、まだ印刷所に到着致しません。白紙のままでお届けすることを深くお詫び申し上げます。 編集部

引用:「〆切本2」 タモリ

 

あああ・・・・やってしまった。。。

 

向田邦子

物書きには不眠症が多い、けれどその反対だと主張する向田さん。この文章の後、完全に寝ます。

この仕事こそチャンスだ。頑張らなくちゃ、と原稿用紙をひろげる。(中略)ところが、原稿用紙の白いマス目を見るとフウッと眠くなってしまう。気負っている時ほどそうなのだ。

引用:「〆切本2」 「有眠」 向田邦子

 

リリー・フランキー

全編にわたって「約束」というものを否定しています。

待ち合わせに遅れた。〆切りに間に合わなかった。これは約束を守らなかったのではなく、「間に合わなかった」という現象なのであり、相手を裏切ったこととはまるで異なることである。

時々、その現象に耐えきれなくなった編集者がこう言う時がある。

「明日の3時‼︎約束してください‼︎」。そして、ボクは言う。

「いやです」

引用:「〆切本2」「約束」リリー・フランキー

 

あああ・・・高校生の頃、編集者になりたかったんです。でも、叶わなくてよかったかも・・・

 

椎名誠

締め切りまみれの人生になっている。だからシメキリのシメと聞くとシメサバもシメナワもシメゴロシも嫌だ。フミキリだって嫌だ。

引用:「〆切本2」「一枚の写真、妻のヒトコトー嫌になった、そのときに」椎名誠

 

締め切りが嫌いすぎて、ことばに過敏になってしまう先生も・・・!

 

「〆切本2」、いい話も載ってますよ

さくらももこさんがデビューをつかむまでのお話にて。

家族は「何回も入賞したって、デビューなんてできっこない」と口を揃えて言っていたが、私は無視した。そんなもの目指してもムダだ、やめた方がいい等と家族以外の親戚の人にまで言われたりしたが、大きなお世話だった。素直にやめたとしても、誰も私の人生の責任なんてとってくれない。他の人の人生じゃない、私の人生なんだ、と誰かに何か言われるたびに強く思った。

引用:「〆切本2」「新しいスタート」さくらももこ

 

こんないい話が載ってると思ってなかったので、涙目・・・

〆切への恐怖を共感してくれるだけでなく、ちゃんと励ましてやる気?にさせてくれる本でした。

わたしと同じ、〆切の恐怖に震えている人、一家に一冊どうですか?

 

 

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