浅草で待ち合わせ、となったときは「じゃあ雷門の前で」と言う。
遠くから来た人にも分かりやすいし、他に広々としている場所もないから、つい提案してしまう。
が、いざ当日になると「やめときゃよかった…」といつも思う。
「浅草が地元のくせに、雷門で待ち合わせすることないんじゃない?」と心の中の自分に突っ込まれ、地元の誰かに見られて声でもかけられたらと思うと居ても立っても居られない。羞恥心のリミッターが振り切れてしまいそうだ。
同じ理由で、浅草で写真を撮るときも、誰かに見られたらはずかしい。何十年も見ている景色を撮るなんて「何をいまさら」と思われそうで、いつも撮るときは秒で終わらせる。
それにしても、いつまでこんな必要のない自意識の高さと戦うのだろうか…。
威風堂々と佇む雷門を前に、自分のうつわの小ささを嘆いている。
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雷門について
雷門の正式名称は「風雷神門(ふうらいじんもん)」。門の両側には風神さまと雷神さまがいる。現在の門は、1960年に松下幸之助氏によって再建されたとのこと。雷門をよく見てみると提灯の下の方に「松下電器」って書いてあります。
あさくさかんのん 浅草寺(せんそうじ)公式サイト
重さ700kgの大きな提灯は2020年4月に新調されたばかり。
浅草寺・雷門の大提灯、静かなお披露目 五輪に向け新調 / 朝日新聞
〈記憶の中の東京〉
東京の風景をエッセイで綴る企画を始めました。とある街で起きた出来事から、忘れていた思い出を書き留めます。できれば、ほぼ毎日22時に更新したい(予定)
記憶の中の東京、前回は隅田川テラスについて