ブックバーひつじが シモダさま
あっという間に初夏ですね。
一年でいちばん好きな季節、春の半分くらいを今年はベッドで過ごしていました。
風邪をこじらせたのちの咳ぜんそくだったんですけど、症状が落ち着いている昼間は読書三昧でした。本に助けられた春。ここからわたしの2024年が始まることと信じたいです。
TOUTENさんの本がひつじがさんでもお取り扱い！素敵なリトルプレスだったので、こちらで紹介せずともきっとお取り扱いされるお店は多いだろうなという気はしていましたが、きっかけを作れて本当に嬉しいです。教えてくださりありがとうございます！連載やっててよかった！
シカクさんとのイベント、その時の様子が手に取るように伝わってきて興奮しました。めちゃくちゃおもしろそう……！『ポートピア花壇捜索隊』、ジャポニカ学習手帳のような表紙がいいですね。こういう散歩の解像度が上がるZINE好きです。
シモダさんのタイムラインに度々登場した謎のZINEも気になりました。ウェブのハイパーリンクを飛んでいくような読書体験ってどんな構成なんだろう……！
『喫茶店の人』『喫茶店の旅』コトリス
関西で喫茶店ブロガーとして活動するコトリスさんのZINE。もう5年くらい前でしょうか、わたしがこのサイトで喫茶店の記事を書きまくっていた頃にSNSで出会ったのがコトリスさんでした。
そのブログから溢れ出る喫茶店愛と、情報の詳しさに、はずかしながら何度も嫉妬しちゃうくらい素敵で。こんなふうなことやりたいけどここまで出来ないなというか。本当はそんな比較はどうでもよく、どうもがいてもなくなりつつある喫茶店をそれぞれが記録していけばいいだけだと、今なら分かるんですけどね。
で、そんなコトリスさんが出した喫茶店のZINEがこちらです。
ふつうの喫茶店紹介ではなく、そこにはオーナーさんの人生について触れられていて。
コトリスさんが撮ったオーナーさんの写真がどれもいいんですよ。こんな表情を引き出せるのは、お店の方と丁寧にコミュニケーションを取ったからでしかなくて。内装の写真からもほとばしる愛を感じ、気づけば泣いていました。
わたしがいつかやりたいと思いつつ、なかなか形にできていないことの先を見せていただいた気がして、そういった意味でもすごく励まされた作品でした。
『高崎ビジネスホテル探検記3』茂木成美
次は、最高にぶっ飛んでるZINEの登場です。
ビジネスホテルを愛してやまない方のZINE。
ビジホなんてどこも大体同じで、それがいいところでしょ？ まあその中でも、ここは清潔だなとか大浴場とサウナに水風呂あるなとか夜鳴きそばがあるのいいなとか……あ、みんな大好きドーミーインの話を始めてしまってました。
まあ多分、みんなビジネスホテルのことはそれくらいの解像度で見ていると思うんですね。だからどうして作者がこんなに愛してるのか、ほんとによくわからなすぎて愛おしくなってきます。人の好きな話を聞くのがとにかく大好きなので、このぶっ飛び具合はもう最高です。
宿泊施設としての快適さや特徴を捉える視点が、ふつうとはまったく違っていて……！
冒頭でこそ、ビジネスホテルの選び方といったお役立ち情報を載せてるんですけど、それ以降がカオス。弘兼憲史（※課長島耕作の作者）のマンガに出てきそうだとか、ビジホへのラブレターとか擬人化までしていたり……！
視点のシュールさが好きですが、やっぱりいちばんグッと来るのはなんだか楽しそうなんですよね。対象物への深い愛があるところも強力な魅力を放っています。
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なんだか今回はいろんな意味で相当濃い回になった気がしますね…！
来月は東京の文学フリマが開催されます。
いつもなら新刊を発売するところなのですが、ありがたいことに春は文芸誌への寄稿が続いたため、既刊で参加することにしました。去年まで毎回同時に2冊作ってた自分、確実にどうかしてたとも言えます。
今回の文学フリマ東京から入場料もかかるし、以前ほどの混雑ではなくなるかもしれないのですが、どうなるんでしょうね。その辺も来月ご報告できたらと思います。
前回のお手紙にあった、ひつじがでのZINEイベント、今開催中なんですね！メインビジュアルの左端にひつじがいるのかわいい……！
シモダさんはやるやる詐欺と言いながらキチンと形にするところが素晴らしい。見習います。
そしていつかぜひ、全日本ZINEファンクラブフェア、絶対やりましょう！
既存の祭りに参加するのもたのしいけど、祭りを作っていく方がぜったい楽しいですもんね。
では、くれぐれもZINEにハマりすぎて推し疲れしないよう笑、よい感じの5月をお過ごしください！
かもめと街 チヒロ
